「エルメス」の2022年度決算で日本は世界シェア10%を割り込んだ!
(画像=「セブツー」より引用)

「エルメス(HERMES)」ブランドを手掛けるエルメス・インターナショナルの2022年12月決算が2月18日に発表になった。主要数字は以下の通り。1ユーロ=140円で換算。

・売上高:116億200万ユーロ(約1兆6242億8000万円、前年比+29.1%)
・営業利益:46億9700万ユーロ(約6575億8000万円、同+33.1%)
・純利益:33億6700万ユーロ(約4713億8000万、同+37.7%)

地域別の売上高は、観光客が戻ったフランスが前年比+26.9%の10億6400万ユーロで全世界シェア率は9.1%、フランス以外のヨーロッパは同+17.8%の15億3600万ユーロでシェア率は13.2%、日本は同+12.6%の11億100万ユーロでシェア率は9.4%、日本以外のアジア太平洋地域は同+30.7%の55億5600万ユーロでシェア率47.8%、南北アメリカは+46.6%の21億3800万ユーロでシェア率18.4%だった。ゼロコロナ政策で苦戦が予想された中国だが通期で同+22.0%、第4四半期でも同+24.7%だった。ECによる売り上げがかなりあって善戦した。

こうして見ると、前年比+12.6%の日本がシェア率10%を割り込んでいるのが注目される。2021年12月期ではトータル89億2000万ユーロ中の9億7700万ユーロでシェア率は10.8%だった。急激な円安による為替換算が原因だろうが全世界シェア率10%割れは日本という国の衰えを感じさせる。1990年あたりのバブル経済期にはシェア率20%を超えアメリカを抑えて、国別売上高世界一を誇ったことを考えると寂しい限りだ。

カテゴリー別では、レザーグッズが同+21.3%の49億6300万ユーロ(約6948億2000万円)、プレタポルテ・アクセサリーは同+42.0%の31億5200万ユーロ(約4412億8000万円)、シルク・テキスタイルは同+25.8%の8億4200万ユーロ(約1178億8000万円)、香水・ビューティは同+16.3%の4億4800万ユーロ(約627億2000万円)、ウォッチは同+54.0%の5億1900万ユーロ(726億6000万円)だった。プレタ・アクセサリーとウォッチの高い伸びが注目される。

売り上げの伸長には、値上げ効果も奇与している。「エルメス」ブランドは2022年には4%程度の値上げを行なったが、2023年はさらに7〜10%の値上げを実施する予定だ。ゼロコロナ政策を解除した中国が活況を取り戻すから、2023年度も高い伸びを示しそうな「エルメス」だ。