現代アートを中心に公開型オークションを展開し、日本のアートマーケットを牽引するSBIアートオークション株式会社。そのSBIアートオークションが2023年3月11日(土)、東京国際フォーラムにおいて「Tokyo Contemporary: Redefined」を開催しました。「Tokyo Contemporary: Redefined」のコンセプトは「わたしたちの生きる現代社会をアートによって再定義する」。2022年に開始した特別企画セールで、今回で2回目を迎えます。

この記事では、エスティメート(オークションハウスが見積もった落札予想価格)に対して実際の落札価格が高かった作品TOP5をご紹介。これらの作品とアーティストは「いま注目の作家」といっていい存在です。またそれ以外に落札価格が高かった作品・作家TOP3を紹介します。いずれも日本の現代アートをリードする存在ですので、ぜひ押さえておきましょう。

目次

  1. エスティメートに対して伸び率の高かった作品TOP5
  2. 落札金額が高かった作品TOP3

エスティメートに対して伸び率の高かった作品TOP5

草間彌生が1億超えで落札額TOP、井田幸昌も記録更新。「SBIアートオークション」311レポ

まずはエスティメートと比較して、落札金額の伸び率が高かった1位から5位までの作品をご紹介します(エスティメートの上限値をもとに算出)。

「今、注目が集まり作品の価値が高騰しているアーティスト」といっても過言ではない存在ですので、ぜひチェックしてください。

【第1位】谷口 正造『MOON SONG』

https://www.sbiartauction.co.jp/results/detail/112/15

エスティメート:30万円 – 50万円
落札価格 :483万円
エスティメート上限に対する伸び率:約9.7倍

エスティメートと比較して落札額が約9.7倍と、高評価を得た作品です。谷口氏は1990年生まれのアーティストで、これまで個展・グループ展などに精力的に取り組んできました。日本ではもちろん、海外での評価も高い作家です。

【第2位】尹 亨根(ユン・ヒョンクン)『UMBER-BLUE』

https://www.sbiartauction.co.jp/results/detail/112/71
エスティメート:100万円 – 150万円
落札価格:1000万5000円
エスティメート上限に対する伸び率:約6.7倍

2007年に逝去されたアーティスト・尹 亨根の作品も予想価格を大きく上回りました。ここ数年で再注目されつつある韓国の単色画をリードする存在であり、生前は韓国国内だけではなくアメリカ、フランスなどのアートシーンでも評価されていた画家です。2018~2019年には韓国で大規模な回顧展が開催されました。

【第3位】長島 伊織『Twilight』

草間彌生が1億超えで落札額TOP、井田幸昌も記録更新。「SBIアートオークション」3/11レポ

https://www.sbiartauction.co.jp/results/detail/112/5
エスティメート:30万円 – 50万円
落札価格:224万2500円
エスティメート上限に対する伸び率:約4.5倍

1997年生まれの若手画家・長島 伊織の作品も事前予想と比較して高評価を獲得しました。
若手画家の注目株で、非常に精力的に展示をおこなっています。若者からも人気があり、今後もさらに評価が高まっていくことが予想される画家です。

【第4位】奈良 美智『Untitled (No. YNF549)』

https://www.sbiartauction.co.jp/results/detail/112/59
エスティメート:120万円 – 180万円
落札価格:747万5000円
エスティメート上限に対する伸び率:約4.2倍

長く日本の現代美術をリードする奈良美智の作品も、変わらず高い評価を得ました。粘土で作られた造形は、奈良作品の特徴である「無垢さ」が質感としても溢れている作品です。

【第5位】岡﨑 乾二郎『足首のかざり額のかざり三日月のかたち (ははのほほ)』

草間彌生が1億超えで落札額TOP、井田幸昌も記録更新。「SBIアートオークション」3/11レポ

https://www.sbiartauction.co.jp/results/detail/112/66
エスティメート:50万円 – 100万円
落札価格:310万5000円
エスティメート上限に対する伸び率:約3.1倍

日本の造形芸術界をリードし、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。現在では東京大学大学院客員教授、武蔵野美術大学客員教授としても活躍している岡﨑 乾二郎の絵画作品も事前予想から大きく額を高めた作品です。

落札金額が高かった作品TOP3

続いて、落札金額の1位から3位までの作品をご紹介します。すでにアート界隈において名が知れ渡っているアーティストの作品がずらりと並びました。

【第1位】草間 彌生『かぼちゃ (B.H.T)』

https://www.sbiartauction.co.jp/results/detail/112/58
エスティメート:7000万円 – 1億3000万円
落札価格:1億7250万円

レジェンド・草間彌生の代表作であるかぼちゃモチーフの作品が1億円超えで落札されました。水玉や網目を使った美しく、またグロテスクさも感じる作風は今でもとても高い人気を博しています。

【第2位】井田 幸昌『Picasso』

草間彌生が1億超えで落札額TOP、井田幸昌も記録更新。「SBIアートオークション」3/11レポ

https://www.sbiartauction.co.jp/results/detail/112/55
エスティメート:1200万円 – 2200万円
落札価格:5520万円

いま、日本でもっとも勢いのあるアーティストの一人・井田幸昌の作品に、事前予想の2200万円を大きく上回る5000万円超えの値段が付きました。昨年にはスペインのピカソ生誕地ミュージアムでアジア人初の個展を開催。その中でも井田の代名詞でもある「Portraitシリーズ」の画風でピカソを描きましたが、今回の作品もまたピカソを描いたものです。

【第3位】李 禹煥『照応』

https://www.sbiartauction.co.jp/results/detail/112/70
エスティメート:2000万円 – 3000万円
落札価格:3910万円

日本の現代美術の重要な運動である「もの派」をリードした李 禹煥(リ・ウファン)の作品が高値で取引されました。昨年「国立新美術館開館15周年記念 李禹煥」展の開催もあり、あらためて注目が集まっている作家です。

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