今日のジャパニーズウイスキーの礎を築いた竹鶴政孝氏の名を冠するウイスキー「竹鶴」。その完成度の高さから、多くの方に支持されているウイスキーです。
竹鶴の中には特に高い評価を受けるボトルがあり、投資目的としても注目されています。今回は、そんな竹鶴の基本知識や希少性について解説します。
(TOP画像引用:ニッカウヰスキー(英語版))
ウイスキー「竹鶴」とは
「日本のウイスキーの父」と呼ばれる、ニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝氏。その名を冠するウイスキーが「竹鶴ピュアモルト」です。
大麦麦芽(モルト)だけを原料に使用したモルト原酒のみで構成されたウイスキー(竹鶴35年はグレーンウイスキ―も使用)で、「ピュアモルト」という独自のブレンド技術で作られています。2000年に発売された「竹鶴ピュアモルト」シリーズは、調和のとれた味わいから人気の銘柄となりました。
しかし、2020年には終売。その後、年数表記のないボトルであるノンエイジの竹鶴はリニューアルされて発売されましたが、ヴィンテージの竹鶴17年・竹鶴21年・竹鶴25年は現在再販の見通しは立っていません。そのため、希少性が高くなり価格が高騰しました。
竹鶴ピュアモルトの魅力
竹鶴ピュアモルトは、当時、圧倒的な人気を誇っていたサントリーの「山崎」や「オールド」と差別化して開発されました。余市蒸留所のモルト原酒と宮城峡蒸留所のモルト原酒をバランスよく配合したウイスキーです。
キーモルトは、シェリー樽熟成の余市モルトと宮城峡モルト、そしてリメード樽(再活性樽)熟成の宮城峡モルト。それぞれの原酒の個性を残しつつ、一体感のある飲みやすい味わいに仕上げており、ニッカウヰスキーのブレンド技術の結晶ともいえるでしょう。
調和のとれた味わいの中に重厚なモルトの深いコクと甘みのある味わいが魅力です。
“マッサン”こと竹鶴政孝氏について
竹鶴政孝氏は、ウイスキー造りに妥協なく取り組む信念と情熱を併せ持った方でした。本格的な洋酒、特にウイスキーへの情熱は誰よりも強かったと言えるでしょう。
スコットランドに研修に行った際、竹鶴氏は蒸留所を一軒一軒周り「無給でもいいから」と頭を下げ、実習をさせてもらっていたそうです。実習では、蒸留釜(ポットスチル)の構造を細かく知るために、職人でも嫌がる釜内の清掃を率先して行っていました。
そんな修行中に“リタ”と出会い、周囲に反対されながらも当時は珍しかった国際結婚を叶え、ウイスキーづくりとともにリタを大事にし続けたという美談は、今もなお語られています。
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竹鶴を入手する方法
AmazonなどのECサイト
Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのECサイトで、竹鶴が販売されていることがあります。そのほとんどはプレ値となっており、例えば、定価7,000円の竹鶴17年は、現在Amazonや楽天市場において3万5,000~4万円[u8] の高値となっています。
ごくまれに、ショップのタイムセールやイベントでプレ値の半値からほぼ定価に近い価格で販売されている場合もあります。定期的にサイトをチェックしてみるといいでしょう。
百貨店・酒販店
三越やマルイなどの大手百貨店や酒販店などで、竹鶴が販売されていることがあります。通常販売の場合はプレ値となっていることが多く、ノンエイジ以外は簡単に入手できません。
終売が発表された直後は竹鶴17年などの抽選販売も行われていましたが、最近ではあまり行われていないようです。
オークションサイト
竹鶴のヴィンテージ銘柄を入手するには、オークションが有力な手段かもしれません。海外ではサザビーズなど、国内ではYahoo!オークションなどで頻繁に出品されています。
ただし、空瓶に別のウイスキーを入れて出品されていたなどの問題も起きた事例があるので、落札にはある程度の知識と目利きが必要です。品質や状態をできる限り確認しつつ、信頼あるオークションにて、信用できる出品者と取り引きしましょう。
ウイスキー「竹鶴」のオークション価格
オークションでは、竹鶴のヴィンテージボトルが高値で取引されています。
竹鶴25年はサザビーズで2万2,500香港ドル(2023年3月時点の為替レートで約38万7,000円)、シンワオークションでは約44万円でそれぞれ落札されました。竹鶴25年の定価は7万円程度なので、落札価格は定価の5~6倍に高騰しています。
また、竹鶴35年はサザビーズで8,125USドル(2023年3月時点の為替レートで約109万6,875円)で落札。こちらは発売当初の希望小売価格が7万円で、15倍以上もの価格となりました。現在、再販は予定されていないため、今後はさらに取引価格が上昇する可能性もあります。
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価値が高まるウイスキー「竹鶴」おすすめ銘柄5選
竹鶴ピュアモルトは、2020年の終売が発表されると急激に価値が高まりました。今回は、その中でも特に価値が高まったおすすめの銘柄を5つ紹介します。
竹鶴ピュアモルト
「竹鶴ピュアモルト」の中で、最もスタンダードな銘柄がノンエイジのボトルです。2020年に一度終売が発表されましたが、同年3月末に数量限定でリニューアルボトルがリリースされました。
なめらかな口当たりと華やかでフルーティな味わい、そしてほのかなピートの個性がありバランスのいい一本です。リニューアル前のボトルは希少で、価値の高いボトルとなっています。
竹鶴17年
柔らかくウッディな香りと複雑で深い余韻、そして熟成感がしっかりと感じられる一本で、非常にリッチな味わいです。
竹鶴17年は、国際的なコンテストである「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)」において、2012年、14年、15年、18年に「ワールドベストブレンデッドモルト」と「世界最高賞」を4回も受賞しています。
確かな品質、そして定価7,000円とコスパの高さも人気の秘訣だったと言えるでしょう。再販のめどは立っていませんが、再販を待ち望む声は根強いです。
竹鶴21年
21年以上熟成されたモルト原酒のみを使用した一本。深いコクがあり、熟した果実のような甘みと深く複雑な樽香、そしてバランスの取れた味わいが魅力です。少しスパイシーな印象もあり、絶妙に調和のとれた余韻が長く続きます。
竹鶴21年は、WWAで2007年・09年・10年・11年と世界最高賞を受賞しています。しかし、ジャパニーズウイスキーの人気の高まりから原酒不足となり、こちらも終売となってしまいました。
竹鶴25年
25年以上熟成した大変希少なモルト原酒のみを使用した一本。長期熟成による深いコクと重厚な味わいと共に、穏やかに長く余韻続きます。透明なボトルは金の文字があしらわれ、高級感のあるデザインです。
竹鶴25年は、ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)2019にて「ジャパニーズウイスキー部門最高賞“トロフィー”」に、WWA2019では「ワールドベストブレンデッドモルトウイスキー」にそれぞれ輝き、同一年に世界的なコンペで最高賞をダブル受賞しました。
竹鶴25年も既に終売となり、高騰が進む竹鶴の代表格となっています。
竹鶴35年
35年以上の希少な超長期熟成の原酒のみを使用したボトルで、竹鶴シリーズの中では唯一グレーン原酒がブレンドされているブレンデッドウイスキー。モルト原酒とグレーン原酒はほぼ1:1でブレンドされているそうです。
そのため、竹鶴35年だけは「ピュアモルト」の表記がありません。2007年の発売当時は、1200本限定で希望小売価格は7万円で販売されました。
竹鶴35年は、数ある竹鶴ブランドでも最高峰の銘柄で、ニッカウヰスキーの中でも究極のブレンデッドウイスキーと呼べる一本です。限定販売のため入手が難しく、貴重なボトルとなっています。
まとめ
竹鶴ピュアモルトは、ノンエイジボトルがリニューアルされ再販されましたが、その他ヴィンテージ銘柄は終売のままで、現在再販の予定はありません。高い品質と終売によるプレミア感から、終売後は一気に価値が高くなりました。
今後もどんどん入手が難しくなり、オークションを中心に価格が上昇していく可能性があります。投資対象として入手を検討されている方は、オークション情報をチェックし購入を検討してみるのはいかがでしょうか?
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