求人検索サイトのインディードと占い上場企業ザッパラスの笑えないリストラ
(画像=「セブツー」より引用))

日本のリクルートホールディングスの米国子会社であるインディードは、2004年にポール・フォースターとロニー・カーンが創業した世界No.1の求人検索サイトで、2012年にリクルートホールディングスに買収された。そのインディードが全世界で全従業員の15%に相当する2200人の人員削減を3月27日に発表した。この施策によって、年間で約5億ドル(約650億円、1ドル=130円換算)のコスト削減になるという。

2200人で年間650億円の人件費は1人当たり3000万円になるが、なかなかの高給のようだ。リストラの理由は求人の絶対数が減ったためだ。コロナ禍の収束で、世界的に人手不足になったのだ。日本では斎藤工と泉里香によるオフザケTVCMが大ヒット中だ。「仕事探しはIndeed♪」の音楽に合わせて5秒間の即興ネタを披露しSNSの一般投票でチャンピオンを競う「Indeed CMオンエアバトル」などという悪ノリ企画も登場している。

しかし今回の全世界2200人のリストラは笑えない。リストラされた2200人がインディードで検索して職探しなんていうのは、本当に笑えない。

また3月31日に約30人の「希望退職者募集による経営合理化」を発表したのは占いコンテンツの企業として東証スタンダードに上場しているザッパラスだ。ファッション業界的には、あのカリスマバイヤーの故藤巻幸大による藤巻百貨店もグループ会社でかつて展開していたことでも知られている。占いコンテンツだけの会社ではないが、今回の社員へのお知らせを読む限り、簡単に言って占いコンテンツへ経営資源を集中させたいという趣旨のようである。

連結の社員数は137名(2021年4月末)だから、今回の30人のリストラはかなり厳しい経営状態を示すものであろう。一方、提携している占い師は1000人を超えるというから凄い。ちなみにザッパラスの2022年4月期の決算は、売上高48億400万円(前年比+0.3%)、営業利益7200万円(同−79.6%)、経常利益2億1200万円(同−43.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益−800万円(前年は2億8600万円)というものだった。2023年4月期は赤字が確定的だ。

占いを生業にしている人が苦境に立つと必ず言われる問いがある。「おまえ、こんなになるのがなぜ分からなかったの?占い師なんだろう?」。ザッパラスにそれを言うのは、オカド違いだろうか。