2023年4月14日に「東急歌舞伎町タワー」が開業し、歌舞伎町の新しい名所として話題沸騰となっています。場所は元新宿ミラノ座があったところと聞けば思い出す人も多いでしょう。ホテル、映画館、ライブホール、レストラン、バーなどが入った複合施設です。
このタワーのコンセプトは「好きを極める」で、ホテルとエンターテイメントの複合施設としての特性を活かして、「好き」に出会う機会やそこに集う人々の「好き」に対する情熱、想いを創出する場所にすることを目指しています。そのうえで周辺エリアと一体になって、新宿歌舞伎町の歴史や文化に触れる機会を創出したいとしています。
特徴的なのが外観です。最先端の外観デザインではあるのですが、屋上と中間層部分にジョーズの牙を思わせるギザギザのフェンスがあり、絶妙にダサいという声も聞かれます。外観上の印象は賛否両論あるようです。
実はこの白い牙のような部分は、牙ではなく吹きあがる噴水をイメージして設計された水の先端部分に当たるのです。そういわれて改めて見るとなるほどと理解できます。
このタワー、外観のインパクトとは裏腹に内部に入ると、ビル全体に美術館のような趣があります。1階ホテルエントランスでは篠原有司男の巨大キャンバス画「オーロラの夢」が迎えてくれます。同じフロアには森山大道のパネル写真が4点飾られており、新宿の夜を撮影した作品を楽しめます。
さらに地下2階のバーラウンジは壁面が淺井裕介の泥絵になっています。独特の雰囲気のなかでお酒をたしなむのも趣がありそうです。
ほかにも6~7階の劇場フロアの床がアートになっていたり、9~10階の映画館の壁面にアクリル版アート「ミラノ座の記憶」が組み込まれていたりと、195作品ある美術品を探す楽しさがあります。まさにアートの宝庫といえるビルなのです。
夜はややコワイ街というイメージの歌舞伎町ですが、充実したエンタメ空間とアートの宝庫である東急歌舞伎町タワーの開業で、そのイメージが払拭されることが期待されます。