総括
FX「人民元円は右肩上がりで年初来高値更新、米は痛烈に習主席を批判」人民元見通し
(通貨7位、株価17位)
予想レンジ 人民元/円20.0-20.5
(ポイント)
*人民元円年初来高値更新
*株は弱い
*米中関係悪化(バイデン大統領や駐日米大使の批判は厳しい)
*中国は投資できない国、レモンド米商務長官
*経済指標は弱い
*今週は小売売上と鉱工業生産、固定資産投資、失業率、MLF
*カントリーガーデン(中国碧桂園)はドル建て債務の利払い行う
*米中半導体戦争続く中、新たな自前の半導体ファンド設立へ 400億ドル規模
*ドル売り介入実施の憶測
*日本の「抗議」受け入れず日本の海産物輸入禁止
*バイデン大統領=中国は時限爆弾
*バイデン大統領が中国への新たな投資制限策発令か
*対米貿易で首位陥落
(人民元円年初来高値更新)
人民元円年初来高値更新、20.29。人民元は今年はそれほど弱くはない。ドル中心のバスケット制(香港ドルはペッグ制)なのでドル高の時はドルより強くはならないが、最弱通貨にはなりにくい。ドル下落の時はドルより弱くならないが、最強通貨にはなりにくい。年初来7位。
ただドルに連動させているようでは、最近主張するBRICS基軸通貨にはなれないだろう。
(株は弱い)
ただ株は安い。今年は世界の市場が好調だが、年初来で上海総合指数は1.09%高、香港ハンセン指数は8.96%安だ。そもそも習政権発足以降は株価対策には積極性はない。
(米中関係悪化)
米国は中国とデカップリングはしないと言い、中国は経済をグローバル開放するとしながらも、流れはゆっくりだが逆に動いている。 WSJの観測報道によれば中国が政府職員のiPhone使用規制を強化したと、米国企業の「中国リスク」を改めて鮮明にした。アナリストは、中国政府と良好な関係を持つ企業でさえ、両国関係緊迫化の影響を免れないことを示すと指摘する。
(情報統制)
中国の経済指標は軒並み悪化しているが、それを深刻視している報道もない。そもそも弱い経済指標もあまり国内に伝えられていない。ただ日本の原発処理水の報道は国民に一様に流れているようだ。食料品店から一斉に塩がなくなったり、放射線検査計が売り切れているようだ。報道統制はすごいと思う。
(経済指標は弱いものが続く)
経済指標は弱いものが続く。8月財新サービス部門PMIは51.8と7月の54.1から低下し、昨年12月以来の低水準を付けた。
需要の弱さが経済の足を引っ張る状況が続いており、政府の景気刺激策による消費浮揚効果は限定的となっている。
8月貿易収支では輸出は8.8%減の2848億ドルで4カ月連続のマイナス、輸入は7.3%減の2165億ドルと、6カ月連続で前年同月を下回った。貿易収支は683.6億ドルの黒字、7月の806億ドルの黒字を下回った。
8月消費者物価は前年同月比0.1%上昇した。3カ月ぶりにプラスに戻った。食肉消費の6割を占める豚肉は前年同月より17.9%低かったが、観光需要が旺盛で、旅行関連の価格が14.8%上昇した。
(今週の指標、9月15日に集中)
今週は8月小売売上と鉱工業生産、固定資産投資、失業率、MLFの発表がある。
テクニカル分析(人民元/円)
年初来高値更新、月足右肩上り
日足、年初来高値更新20.29。ボリバン2σ上限。9月12日-13日の上昇ラインがサポート。。5日線、20日線上向き。
週足、ボリバン2σ上限。8月21日週-9月11日週の上昇ラインがサポート。22年10月17週-9月11日週の下降ラインが上値抵抗だが上抜く。
月足、今年はここまで右肩上りといってもいい動き。4月-7月の上昇ラインがサポート。22年10月-23年7月の下降ラインが上値抵抗だが上抜く。
年足、3年連続陽線。23年も陽線スタート。ただ22年は上ヒゲが長い。20年-21年の上昇ラインがサポート。
チーファンラマ
米大統領とエマニュエル駐日米国大使が習近平国家主席を強烈に批判
バイデン大統領は「中国は時限爆弾だ」と言ったり、習主席がG20に参加しないのは経済が大変だからと言う。
ラーム・エマニュエル駐日米国大使はさらに習中国国家主席を次のように強烈に批判している。
*習の手口は疑う余地がない。失われた命などお構いなしに、政治的利益のために人類の悲劇を利用する。とんだ恥知らずだ。習のチームはAIを用いて、米国の「気象兵器」がマウイ島の山火事を引き起こしたとのデマを流しており、さらには新型コロナウイルスを中国に持ち込んだのは米軍だと非難し、福島原発に関する偽情報を拡散している。想像してみてほしい。そのエネルギーが人道支援やグローバルな利益のための純粋な懸念に向けられたら世界はどうなるか。例えば、中国の素晴らしい若者を完全な雇用に戻す方策に焦点を当ててみるのはどうだろうか。きっと、画期的なこととなるだろうに!!!
*習政権の閣僚陣は、今やアガサ・クリスティの小説『そして誰もいなくなった』の登場人物のようになっている。まず、外相だった秦剛が行方不明となり、ロケット軍の司令官がそれに続く。そして今、国防部部長の李尚福が2週間公の場に姿を見せていない。誰がこの失業レースを制するのだろうか? 中国の若者か、それとも習とその閣僚たちか?