この記事は2024年1月30日に「CAR and DRIVER」で公開された「マツダ、レース活動を通して培ったノウハウを詰め込んだコンセプトカー「MAZDA SPIRIT RACING 3 concept」公開」を一部編集し、転載したものです。
マツダは、2024年1月12日~14日に千葉県の幕張メッセで開催された「東京オートサロン 2024」において、スーパー耐久シリーズ参戦車両やコンセプトカーなどの車両の展示を行った。このページでは初公開された「MAZDA SPIRIT RACING 3 concept」にフォーカスする。
「MAZDA SPIRIT RACING 3 concept」は、街中からサーキットまで楽しく走れるクルマを目指し開発中の、MAZDA SPIRIT RACINGブランドが手掛けるスペシャルモデルのコンセプトカー第二弾だ。
従来モデルに対してサーキットではより意のままに操れると共に、日常では上質な乗り味の実現を目指している。スーパー耐久レース活動を通して培った足回り、エアロダイナミクスの進化と、それらに合わせた内外装のアピアランスにも磨きをかけ、「速さ」と「質感」に拘るMAZDA SPIRIT RACINGならではの価値を体現したハイパフォーマンスモデルに仕上がっている。
エクステリアでは、フロントボンネットのストライプのラッピング。フロント、サイド、リアに装着されたエアロパーツ。リアゲート上部に装着されたカーボン製のリアウィングが目を引いた。
またホイールも換装されており、ブラックアウトされた。RAYS TE37 SAGA SLを装着。タイヤサイズは225/45 R18、銘柄はBRIDGESTONE POTENZA RE-71が装着されていた。
純正ウイングの上に装着されたカーボン製のリアウイングはウイングの上面を吊り下げる方式の支持方法であるスワンネックタイプを採用。モータースポーツでは定番となりつつある固定方法であり、数年前からアフターパーツでも多く見られるようになってきた。
もともとは、モータースポーツの厳しいレギュレーションの中で、いかに効率の良いダウンフォースを得られる構造にするかという工夫から生まれた固定方法だが、現在ではダウンフォースを得る上でウイングステーの形も重要視されるようになっている。レーシングカーのイメージを踏襲するという意味でも、その特徴的なデザインは目を引く存在だ。
「MAZDA SPIRIT RACING 3 concept」は、スーパー耐久シリーズ ST-Qクラスに参戦している「MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept」から多くのインスピレーションを受けた車両だ。
「MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept」は、様々なエンジンや様々な駆動方式の市販車をベースとしたレースマシンでレースをするスーパー耐久シリーズにおいて、MAZDA3ファストバックに2.2L SKYACTIV-D(クリーンディーゼル)を搭載、カーボンニュートラル(CN)の選択肢の1つとして注目を浴びている軽油代替バイオディーゼル燃料を使用。前半はユーグレナ提供のHVO(水素化植物油)、後半からは欧州で実用化も始まっているフィンランドNESTE社のHVO(リニューアブルディーゼル燃料)を使用するなど、微細藻類ベースのバイオ燃料に加えてさまざまなタイプの実証実験を実施している。
MAZDA SPIRIT RACINGブランド代表の前田育男氏によると、昨年最終戦には300馬力にも出力が強化されており、速さにも磨きがかかってきたという。
展示車両のトランスミッションはMTではなくATだった。詳しいスペックはまだ公開されていないので、エンジンスペックなど続報に期待したい。
(提供:CAR and DRIVER)