高金利通貨の状況を動画で解説

動画配信期間:公開日から2週間

高金利通貨「メキシコペソ・南アフリカランド・トルコリラ」の状況をギュッと要約

最近の状況

5月は高金利通貨が「逆襲」している
トランプ政権の不確実性で以前は円高・高金利通貨売りのリスク回避が続いていた
日米中のマッチポンプ的な貿易協定の合意により、リスク選好が継続中
5月の通貨パフォーマンス:南アフリカランドが首位、メキシコペソが3位、トルコリラも8位と健闘

メキシコペソ

メキシコペソは円を抜いて年間最高パフォーマンスの通貨に浮上
今週に政策金利決定あり:インフレターゲットは3%±1%だが、CPIが3.93%と上限に近い
世界貿易の不確実性とメキシコ経済の弱さから0.5%の利下げが予想されている
懸念材料:6月1日に裁判官選挙がある
裁判官制度改革で国民投票による裁判官選出に批判あり(行政と司法の分離に懸念)
米国と中国の貿易協定が妥協に向かっており、メキシコも同様の流れが期待されている

南アフリカランド

4月には連立内閣の危機、消費税引き上げ、土地収用法などで急落
連立内閣の瓦解が懸念されていたが、なんとか回避された
金・白金の上昇も南アフリカランドに好影響
米国との関係は緊張が続いている

土地収用法問題(白人差別との批判)
イスラエルへの批判
大使追放問題

中国とEUからの支援(EUは47億ユーロの投資パッケージ)が支えとなっている

トルコリラ

5月のリスク選好で上昇はしているが、上昇幅は小さい
対ドル、対ユーロで強くならない理由:国民の資金が海外に流出している
年初来で円に対して10%安、スワップは年率36%
PKKテロ組織の活動終了宣言などの好材料はあるが、相場への影響は限定的
格付けがBB(ジャンク債)から抜け出せていない
円安の影響で経済成長率は2%台と悪くない

高金利通貨の投資戦略

長期投資が望ましい:高金利ほど通貨の下落幅が大きい傾向
講演者の経験:南アフリカランドの30年債(13%の複利)で年平均5%の下落、トータル8%のリターン
現在のFXでは30%程度のリターンもあるが、それを上回る下落リスクも
短期的取引の場合は、小幅な上昇での利食いも検討すべき

結論

高金利通貨は様々な欠点があるからこそ高金利となっている。これらの通貨は下落するのが当たり前だと理解し、下落幅と高金利の利率を比較検討しながら中長期的な投資を行うことが重要。短期的な取引では、小幅な上昇での利食いを検討すべき。5月は当初リスク選好が続いているが、慎重に見る必要がある。

外為マーケットビュー
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)


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野村雅道
野村雅道氏
FX湘南投資グループ代表 1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行。82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。 87年米系銀行へ転出。外資系銀行を経て欧州系銀行外国為替部市場部長。外国為替トレーディング業務ヴァイスプレジデントチーフディーラーとして活躍。 財務省、日銀および日銀政策委員会などの金融当局との関係が深く、テレビ・ラジオ・新聞などの国際経済のコメンテイターとして活躍中。為替を中心とした国際経済、日本経済の実践的な捉え方の講演会を全国的に行っている。現在、FX湘南投資グループ代表。

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