
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年9月10日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
目次
▼9日(火)の為替相場
(1):「日銀は年内利上げの可能性を排除しない」との報道
(2):米雇用統計の年次改定 大幅下方修正
▼9日(火)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:レンジ内での値動き/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
9日(火)の為替相場

期間:9日(火)午前6時10分~10日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):「日銀は年内利上げの可能性を排除しない」との報道
「日銀は国内政治情勢が混乱する中でも、年内利上げの可能性を排除しない姿勢」と一部報道機関が伝えた。最大のリスク要因と見られていた米国の関税政策について、4日にトランプ米大統領が日米合意を履行する大統領令に署名したことで不確実性が一段と低下し、今秋以降には金融政策判断に重要な材料がそろってくる可能性が高いとのこと。この報道を受けて円買いが強まった。
(2):米雇用統計の年次改定 大幅下方修正
米労働統計局(BLS)は米雇用統計の年次改定で、2024年4月から2025年3月までの非農業部門雇用者数が91.1万人下方修正になるとの推計値を発表した。市場予想は68.2万人の下方修正だったが、一部金融機関は100万人程度の下方修正の可能性もあるとの見方を示していたため、結果を受けてドルは乱高下した。
9日(火)の株・債券・商品市場

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ

ドル/円の見通し:レンジ内での値動き
昨日のドル/円は終値ベースで約0.1%下落。日銀の追加利上げを巡る観測報道をきっかけに一時146.31円前後まで下落した。米雇用統計の年次改定暫定値は、市場予想を大幅に下回る91.1万人の下方修正となったものの、下方修正幅が予想より大きくなるケースはある程度織り込まれていたことなどもあり、その後は米長期金利の上昇とともにドルの買い戻しが優勢となった。米国の労働市場のデータは9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での25bp(0.25%ポイント)利下げを後押しする内容となっている。一方で、米連邦準備制度理事会(FRB)のもう一つの責務である「物価の安定」については依然として不透明感が残る。
本日は米8月生産者物価指数(PPI)が発表される。前回の7月分では米企業が関税コストを価格に転嫁する動きが出始めていることを示唆する内容だっただけに、結果に注目が集まる。ただ、市場は本日の米8月PPIと明日の米8月消費者物価指数(CPI)の結果を見極めたいとの思惑が強いだけに、このところのレンジ内での値動きとなりそうだ。