外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2025年12月16日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田卓也

目次

▼15日(月)の為替相場
(1):日銀短観 大企業DIが改善
(2):木原官房長官 発言
(3):中国小売売上高は予想を下回る
(4):NY連銀製造業景気指数は大幅低下
(5):NY連銀総裁「金融政策は良い位置にある」

▼15日(月)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:通常の雇用統計よりも鈍い反応/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

15日(月)の為替相場

外為どっとコム トゥデイ
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期間:15日(月)午前7時00分~16日(火)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):日銀短観 大企業DIが改善

日本12月期全国企業短期経済観測調査(短観)を発表。大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は15と市場予想通りに前回(14)から改善した。米国の関税政策を巡る不確実性が低下したことなどを背景に3四半期連続の改善となった。大企業非製造業DIは34と予想(35)を下回り前回から横ばいだった。

(2):木原官房長官 発言

木原官房長官は、この日日銀が発表した短観について「概ね良好な結果だ」として、政府の認識と齟齬はないと指摘。そのうえで、「金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられており、適切な運営を期待したい」との見解を示した。

(3):中国小売売上高は予想を下回る

中国11月小売売上高は前年比+1.3%と市場予想や前月(ともに+2.9%)を大幅に下回り、2022年12月以来の低い伸びとなった。同時に発表された同11月鉱工業生産は前年比+4.8%と予想(+5.0%)に反し前月(+4.9%)から伸びが鈍化して1年3カ月ぶりの低い伸びとなった。なお、これより前に発表された中国11月新築住宅価格は前月比-0.39%で30カ月連続で下落、同11月中古住宅価格も31カ月連続で下落した。

(4):NY連銀製造業景気指数は大幅低下

米12月NY連銀製造業景気指数は-3.9と市場予想(10.0)や前月(18.7)を大きく下回り、3カ月ぶりの縮小圏へ低下した。新規受注が横ばいだったほか、出荷が減少した。一方で、6カ月先の見通しは1月以来の高水準となり、企業が今後数カ月で状況が改善すると楽観的な見方を強めていることを示した。

(5):NY連銀総裁「金融政策は良い位置にある」

米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は「2026年に向けて、金融政策は良い位置にある」とし、先日の利下げにより、米連邦公開市場委員会(FOMC)は「緩やかに引き締め的な金融政策スタンスを中立へと移行させた」との認識を示した。また、「データは労働需要が供給よりも軟化していることを示している」として、「雇用への過度リスクを引き起こすことなく、2%のインフレ率を達成する必要がある」と語った。インフレについては「関税によるインフレへの波及効果は見られない」とし、「関税は一時的な価格上昇を招いているように見えるものの、持続的な上昇にはつながらない」との見解を示した。そのうえで関税が与える影響は「26年に完全に現れる」と述べた。