【複利シミュレーション】毎月の積立で資産はいくら増える? 期間や利回りで比較

「毎月3万円ずつ貯金をしても、老後資金なんて貯まらないのではないか」
「投資を始めたいけれど、実際にどれくらい増えるのかイメージが湧かない」

資産形成において、味方にすべき最大の武器は「複利」です。あのアインシュタインが「人類最大の発明」と呼んだこの仕組みを理解し、時間を味方につけることで、私たちの資産は雪だるま式に増えていく可能性があります。

この記事では、単なる用語解説ではなく、具体的な数字を用いた「複利シミュレーション」を通して、積立投資の威力を解説します。20代から始めた場合と40代から始めた場合の違いや、預金と投資の差など、パターン別のシミュレーション結果もご用意しました。

現実的な資産形成のロードマップとして、ぜひ参考にしてください。

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目次

  1. 単利と複利はどう違う?
  2. 積立投資シミュレーション【パターン別】
  3. 資産が2倍になる期間は? 便利な「72の法則」
  4. シミュレーション通りにいかない? 複利効果を最大化するコツ
  5. まとめ

単利と複利はどう違う?

資産運用における利益の受け取り方には、「単利」と「複利」の2種類があります。どちらを選ぶかによって、将来の資産額には驚くほど大きな差が生まれます。

まずは、この2つの基本的な違いと、なぜ複利が資産形成に有利なのか、そのメカニズムを解説します。

単利と複利の違い

一言で言えば、利益の増え方が「足し算」か「掛け算」かの違いです。

・単利:預けた「元本」に対してのみ利息がつく仕組み。
・複利:元本と、過去についた「利息」を合わせた金額に対して利息がつく仕組み。

例えば、100万円を年利5%で運用する場合を考えてみましょう。

「単利」の場合、毎年受け取れる利息は常に5万円(100万円×5%)です。10年経っても20年経っても、1年あたりの利益は変わりません。グラフにすると、直線的に増えていきます。

一方「複利」の場合、1年目の利息5万円を元本に組み込みます。2年目は105万円に対して5%がかかるため、利息は5万2,500円になります。

このように「利息が利息を生む」サイクルが繰り返されることで、利益額は年々増加し、グラフは放物線を描いて急上昇していきます。

時間が経過すればするほど、この曲線の角度は急になり、資産の増加スピードが加速していくのです。

複利計算の公式と積立の仕組み

複利の根本的なメカニズムを理解するために、まずは「最初にまとまったお金(元本)を預けた場合」がどう増えるかを示す基本公式をご覧ください。少し数学的な話になりますが、仕組みを知る参考になります。

FV=PV×(1+r)^n
 FV:将来価値
 PV:元本
 r:年利
 n:運用年数

この数式で重要なのは、運用年数が指数になっている点です。足し算や掛け算ではなく、累乗で計算されるため、期間が長くなればなるほど、将来の資産額に対して爆発的な影響を与えます。

※積立投資の場合の注意点

上記の公式はあくまで複利の「基本原理」を示すものです。毎月一定額を追加していく「積立投資」のシミュレーションでは、毎月の積立金それぞれに対して異なる運用期間(乗数)が適用されるため、実際の計算式はより複雑になります。

しかし、「期間が長くなるほど曲線を描いて雪だるま式に増える」という複利の根本的な性質は積立投資でも全く同じです。積立シミュレーションにおいて最も重要な要素も、やはり「どれだけ長く運用し続けられるか」という「時間」なのです。

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積立投資シミュレーション【パターン別】

ここからは、実際に具体的な数字を使ってシミュレーションを行います。

「いつ始めるか」「何で運用するか」「いくら必要か」

これら条件の違いによって、将来の資産額にどのような差が生まれるのかを見ていきましょう。

※計算の簡略化のため、税金や手数料は考慮せず、年次は1年複利として計算しています。

ケース1「期間の差」:20代から開始 vs 40代から開始

まずは「時間」の価値を確認します。同じ「毎月3万円」を「年利5%」で運用し、60歳まで積み立てた場合、開始年齢によってどれだけの差が出るのでしょうか。

【シミュレーション条件】

  • 毎月の積立額:3万円
  • 想定利回り:年利5%
  • ゴール:60歳

【結果比較】

開始年齢 積立期間 元本合計 運用収益 60歳時点の資産額
40歳から 20年間 720万円 約513万円 約1,233万円
30歳から 30年間 1,080万円 約1,416万円 約2,496万円
20歳から 40年間 1,440万円 約3,130万円 約4,570万円

この結果から分かる残酷な事実は、遅く始めて元本を倍にしても、早く始めた人には勝てないということです。

20歳から始めた人は、元本1,440万円に対し、利益だけで3,000万円以上を生み出しています。運用期間が2倍(20年→40年)になると、最終的な資産額は2倍どころか、約3.7倍に膨れ上がっています。これが複利における時間の魔法です。

ケース2「利回りの差」:預金(0.2%) vs 投資信託(3%〜7%)

次に「利回り(金利)」の差を見てみましょう。

安全性重視で銀行預金だけにお金を置いている場合と、リスクを取って投資信託などで運用した場合の比較です。

【シミュレーション条件】

  • 毎月の積立額:5万円
  • 積立期間:30年間
  • 元本合計:1,800万円

【結果比較】

運用先(想定利回り) 運用収益 30年後の資産額
普通預金(0.2%) 約55万円 約1,855万円
投資信託(3%) 約1,113万円 約2,913万円
投資信託(5%) 約2,361万円 約4,161万円
投資信託(7%) 約4,297万円 約6,097万円

金利上昇により、30年間預金を続ければ約55万円の利息がつくようになりました。かつての「ほぼゼロ金利」時代に比べればマシですが、それでも投資信託のリターンと比較すると大きな差があります。

年利5%で運用できた場合、運用益は2,000万円を超え、元本以上の利益を生み出します。もちろん投資にはリスクがありますが、長期的な視点で見れば、この「利回りの差」が将来のゆとりを左右する決定的な要因となります。

ケース3「目標金額からの逆算」:老後2000万円作るには?

最後に、ゴールから逆算してみましょう。

「老後2,000万円問題」が話題になりましたが、65歳までに2,000万円を作るためには、今から毎月いくら積み立てれば良いのでしょうか。ここでは現実的なラインとして「年利4%」で運用できた場合を想定します。

【目標:65歳までに2,000万円(年利4%運用)】

現在の年齢 積立期間 毎月の必要積立額
25歳 40年間 約1.7万円
35歳 30年間 約2.9万円
45歳 20年間 約5.4万円
55歳 10年間 約13.5万円

早めに気づいて行動すれば、月々2万円以下の負担で2,000万円を作ることは十分に可能です。しかし、着手が遅れるほど毎月の負担額は跳ね上がります。55歳から慌てて準備しようとすると、月13万円以上という厳しい貯蓄が必要になります。

このシミュレーションからも、「少額でもいいから、今すぐ始めること」の重要性がお分かりいただけるはずです。

資産が2倍になる期間は? 便利な「72の法則」

シミュレーションサイトを使わなくても、もっと簡単に「自分のお金がいつ倍になるか」を知る方法があります。それが「72の法則」です。

知っておくと、金融商品のパンフレットを見たときなどに、瞬時にその商品の実力を判断できるようになります。

暗算でできる将来予測

計算式は非常にシンプルです。

72 ÷ 金利(%) = 資産が2倍になるまでにかかる年数

例えば、金利ごとの「資産倍増期間」は以下のようになります。

・金利 0.2%(普通預金):72 ÷ 0.2 = 360年
・金利 0.5%(定期預金等):72 ÷ 0.5 = 144年
・金利 3%(債券・安定株等):72 ÷ 3 = 24年
・金利 5%(株式投資信託等):72 ÷ 5 = 14.4年
・金利 7%(積極運用):72 ÷ 7 = 10.3年

銀行に預けていてはお金が2倍になる頃には人類の歴史が変わっていますが、年利5〜7%程度で運用できれば、10年〜15年で資産が倍になる計算です。「72」という数字さえ覚えておけば、電卓なしでもおおよその将来予測が可能になります。

シミュレーション通りにいかない? 複利効果を最大化するコツ

ここまでのシミュレーションは、あくまで計算上の結果です。現実の相場は上がったり下がったりを繰り返しますし、税金や手数料も発生します。

机上の空論で終わらせず、シミュレーション結果を現実に近づけるために、押さえておくべき3つのコツをお伝えします。

利益を再投資することの重要性

複利効果の源泉は「利息が利息を生む」ことにあります。そのため、出た利益を受け取って使ってしまっては意味がありません。

例えば、投資信託で分配金が出た場合、「受取型」ではなく「再投資型」を選択しましょう。

手元に現金が入ると嬉しくなるものですが、複利のエンジンを止めないためには、利益を元本に組み込み続けることが絶対条件です。雪だるまを大きくするためには、雪(利益)を削らずに転がし続ける必要があります。

税金を考慮する(NISA・iDeCoの活用)

通常の投資では、得られた利益に対して20.315%の税金がかかります。

100万円の利益が出ても、手元に残るのは約80万円。この20%のマイナスは、複利効果を大きく阻害します。

そこで活用したいのが、国が用意している非課税制度です。

・NISA:成長投資枠とつみたて投資枠を併用でき、運用益が恒久的に非課税になります。
・iDeCo:運用益が非課税になるだけでなく、掛金が全額所得控除になり、節税効果も期待できます。

これらの制度を使えば、本来引かれるはずの税金分もそのまま再投資に回せるため、複利効果を最大化(=シミュレーション結果に近づける)することができます。

長期・分散・積立を忘れない

シミュレーションでは毎年一定の「年利5%」で計算しましたが、実際には「今年は+20%、翌年は-10%」といった変動を繰り返しながら、平均して5%程度に収束していきます。

暴落が起きたときに、「もうダメだ」と売却してしまえば、そこで複利効果は途絶えます。

・長期:一時的な下落に一喜一憂せず、10年、20年と持ち続ける。
・分散:世界中の株式や債券に分けて投資し、リスクを抑える。
・積立:毎月定額を買い付け、購入単価を平準化する(ドルコスト平均法)。

この「長期・分散・積立」の原則を守り続けることこそが、シミュレーション通りの成果を手にするための唯一の近道です。

まとめ

複利シミュレーションの結果を見て、どのような感想を持たれましたか?「毎月3万円なんて無理」と思われた方もいるかもしれませんし、「意外と自分にもできそう」と感じた方もいるでしょう。大切なのは、金額の多寡ではなく時間を味方につけることです。

最初から大きな金額を投資する必要はありません。ネット証券であれば、月々100円や1,000円からでも積立投資は可能です。

「いつか余裕ができたら」と先送りにしている今の時間が、将来受け取れるはずだった数百万円、数千万円という複利の果実を失わせているかもしれません。

まずは、金融庁のサイトや証券会社のツールを使って、ご自身の年齢と予算でシミュレーションをしてみてください。

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(提供:ACNコラム