◉投資オプション①上場投資有価証券の売買


ニュージーランドにはNZ証券取引所があり、株式、オルタナティブ、債券の3つの市場で投資有価証券が売買されています。同取引所は市場関係者へ最大限の透明性、公平性、効率性を提供するよう設計されています。有価証券を購入するには、市場に登録されたブローカーを通じて直接行う方法と、上場投資信託を購入する方法があります。

New Zealand Stock Exchange


◉投資オプション②エンジェル・インベスターになりませんか?


ご承知の通りエンジェル・インベスターとは、創成期を経て自己資金以上の投資を行う段になったベンチャー企業に投資を行う個人投資家のことです。一律には言えませんがニュージーランドでは15万~150万NZドルが一般的な投資金額の目安となるでしょう。現在のNZ成長産業・投資対象として、IT産業、バイオ産業、映画産業、ニッチな製造業、木材加工業、コールセンターなどが挙げられます。


◉投資オプション③既存のビジネスを購入する


いわゆる事業買収。NZではビジネスの売買が盛んです。既存のビジネス、つまり既にある程度の集客力とキャッシュフローが存在するビジネスを購入することは、ゼロから事業を興すよりも有利な場合があります。
ではどこで、どうやってビジネスを探したら良いのでしょうか?ひとつには、ビジネスブローカーと呼ばれる人々に連絡を取ることです。彼らは常にビジネスを売りたいオーナーたちの情報を持っています。

もうひとつの方法は、インターネットで検索です。
Business for sale
転職先を探すように、またはヤフオクで欲しいものを検索する感覚でビジネスを検索できます。

地域ごとに設立された商工会議所に相談してみるのも良いでしょう。
地域別商工会議所(Chamber of Commerce)


◉投資オプション④商業用不動産の購入


オフィス用ビル、倉庫、重工業用地からショッピングセンターにいたるまで、その時市場に出ている商業用不動産を投資として、または実際のビジネスに使用する目的で購入することが出来ます。NZでは大手の不動産会社が住宅用不動産と商業用不動産の両方を扱っている場合がほとんどです。購入に際しては、他の投資と同様に、法律と金融の専門家にアドバイスを求めましょう。

また、査定の一環としてLIM(Land Information Memorandum)と呼ばれるその土地に関する包括的な覚書を入手しましょう。購入に際しては個人、共同、法人、信託などの名義を使用することが可能です。


投資に関わる税金は?>>


◉税金について


NZ居住者の場合、利子所得と配当所得は共に総合課税で、全ての所得の合計に応じて4段階の税率が設定されています(RWT(Resident Withholding Tax・居住者源泉徴収税と呼ばれています)。また、通常キャピタルゲイン税はかかりません。

NZ非居住者へ支払われる利子・配当金はNRWT(Non resident Withholding Tax・非居住者源泉徴収税)と呼ばれ、二国間租税条約が結ばれている日本居住者へのNRWTは現在15%となっています。ただしApproved Issuer (認可された社債等発行機関)の発行する有価証券へ投資する場合、AIL(Approved Issuer Levy)申請を行うことでNZ国内での源泉徴収課税が免除され、代わりにAIL課税が適用となります(現在利金・配当金の2%)。また昨年NZ、日本間で新しい二国間租税条約が承認され、2014年1月より実施される見込みとなっています。

日本経済新聞「NZと新租税条約に署名」

今回はニュージーランドの市場環境、投資オプション、投資にかかわる税制の概要についてお話させていただきました。ここでご紹介させていただいた投資手段は全て海外投資家にも平等に開かれています。また、政府機関や取引所がインターネット上で幅広い情報提供を行っており、情報収集の容易さがNZの投資メリットのひとつとして挙げられるかもしれません。次回は投資のファースト・ステップ、NZの銀行での口座開設について解説します。

BY M.W

【参考文献】
New Zealand Now
World Economic Forum
Ministry of Business, Innovation & Employment
New Zealand Stock Exchange