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(写真=Thinkstock/GettyImages)

◆昨日は、ドイツ10年債利回りの1.0%への接近と共にユーロが続伸したのが特徴的だった。ただしその後はギリシャの対IMF債務支払い延期を受けて反落している。

◆ドル/円は、日銀審議委員発言や米単位労働費用に反応するかたちで上下に振れたが、124円台前半で方向感は出なかった。

◆本日は米雇用統計が焦点で、非農業部門雇用者数が月間20万人超のペースを維持できるかだけでなく、平均時給前年比が加速するかも重要で、両方とも市場予想を上回る場合にはドル/円は再び125円を試す展開となりそうだ。

◆他方、ユーロを巡っては、ドイツ10年債利回りの続伸リスクやギリシャの目先のデフォルトリスク後退といったユーロ支持要因があることから、雇用統計後にドル買いとなる場合でもユーロ/ドルは下がりにくく、ユーロ/円ロングに妙味がありそうだ。


昨日までの世界:ドイツ10年債利回りの上昇は一服したか?

ドル/円は、124円台前半を中心に上下に振れる展開だった。東京時間夕方には積極金融緩和姿勢が期待された原田日銀審議委員が「過度の円高は修正された」としてこれ以上の円安を望まないとも取れる発言をしたことから、一時123.78円へ下落する局面があった。

地方債買入や付利金利引下げなどの追加緩和手法への言及、円安は日本経済全体にとってプラスとの発言もあったが、あまりハト派的ではない部分に新味があり注目が集まった。

もっとも、その後NY時間入りにかけては、インフレ指標の一つである米1Q単位労働費用(確定値)が前期比年率で+6.7%と前期の+5.6%、速報の+5.0%、市場予想の+6.1%を大きく上回ったことなどから反発に向かい、一時124.68円の高値を付けた。

ユーロ/ドルは、欧州時間入り後にドイツ10年債利回りの上昇が続き、一時1.0%に近づいたことからユーロ/ドルも1.1380ドルへ続伸し、5月15日に付けた直近の戻り高値(1.1467ドル)に近づいた。

もっとも、その後ドイツ10年債利回りが反落に向かったことでユーロも反落したほか、ギリシャが5日に期日が到来する対IMF債務約3億ユーロについて、今回は支払わず、6月の4回分を月末に一括返済する方針を表明したことから続落し、一時1.1219ドルへ下落した。

ただし、こうした支払い形態は制度上可能とされており、可能性が事前に取りざたされていたこともあり、青天の霹靂という訳ではなかったことから、市場の混乱には至っていない。

ユーロ/円もユーロ/ドルとほぼ同様の動きとなり、一時141.06円へ続伸した後、140円割れへ反落した。

豪ドル/米ドルは、豪4月貿易収支が-38.88億豪ドルと予想を大きく上回る赤字幅となったほか、同時発表の豪4月小売売上高も前月比ゼロ%と市場予想(+0.3%)を下回ったため、0.77ドル台後半から0.77ドル台前半へ、更にNY時間には米経済指標発表を受けた米ドル高基調もあって続落、一時0.7664ドルの安値を付けた。

豪ドル/円も豪ドル/米ドル相場とほぼ同様の動きとなり、96円台後半から一時95.43円へ下落した。


きょうの高慢な偏見:ユーロ/円に注目

ドル/円は、米雇用統計が焦点となる。非農業部門雇用者数が月間20万人超のペースを維持できるかだけでなく(市場予想は+22.6万人、前月+22.3万人)、平均時給前年比(前月、市場予想ともに+2.2%)が加速するかも重要で、両方とも市場予想を上回る場合にはドル/円は再び125円を試す展開となりそうだ。

ユーロ/ドルも、米雇用統計が予想比良好な結果となる場合にはドル高ユーロ安圧力がかかる。もっとも、ユーロを巡ってはドイツ10年債利回りの続伸リスクがユーロ支持要因となるほか、本日期日の対IMF債務(3億ユーロ)についても支払いが月末に延期されたため、目先のデフォルトリスクは後退したとも言える。

特に、米雇用統計が予想比良好な結果となる場合、米国債と連動性が高いドイツ10年債利回りにも再び上昇圧力がかかる。このため、良好な雇用統計に対しては、ユーロ/ドル売りの妙味は小さく、むしろドル/円上昇の恩恵も受けるユーロ/円ロングに妙味がありそうだ。

豪ドル/米ドルも、米雇用統計の予想比上振れ時には下押し圧力がかかる。昨日の豪貿易赤字の急拡大もあって再び下落方向となっていることから、豪ドル/米ドルは1日につけた直近安値である0.7598ドルを再び試す展開もありそうだ。

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山本雅文(やまもと・まさふみ)
マネックス証券 シニア・ストラテジスト

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