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(写真=Thinkstock/Getty Images)

全国的に猛暑となった5月が去った。しかし、梅雨の時期を通過すれば、すぐに本格的な夏が到来する。気象庁の全般暖候期予報によれば、6〜8月の平均気温は北日本を除いて平年並みまたは高くなる確率がともに40%。

株式市場で「サマーストック」が盛り上がる素地はでき上がりつつある。飲料の増産で恩恵を受ける可能性があるボトリング関連株の中から、カーリットホールディングス <4275> 、渋谷工業 <6340> に注目したい。

プラスαの材料魅力

飲料売上は夏場の気候に極めて影響を受けやすく、夏に気温があまり上がらなかった昨年は業界的に厳しい事業環境となった。ただ、今年は一転して記録的な暑さを各地でマーク。飲料メーカーの商品には想定販売数を大きく上回り、一時出荷停止となるものも出ている。伊藤園 <2593> の5月のドリンク事業の売上高は、前年同月比4.2%増と好調だった。

こうした中、周辺産業にも波及効果が期待される。その一つが、飲料メーカーから受託して飲料をペットボトルや缶に充てんするボトリングビジネスだ。今回取り上げる関連銘柄のカーリットHと渋谷工は同分野の有力企業である上、それぞれこれとは別の有力材料も併せ持つ。

カーリットH、ロケット分野でも活躍

「4〜5月の生産は非常に好調だ」と話すのは、カーリットHの出口和男会長兼社長。同社は主力の化薬や化学品のほかに、伊藤園向けなど飲料メーカーの商品の製造加工を収益源としている。

気温上昇で飲料需要が旺盛となっており、足元のボトリング事業は強含みで推移している。今3月期の同事業は、一部顧客との会計処理方法の変更に伴い前期比減収を想定するものの、生産増効果などで営業利益は同約95%増の3億円 <連結営業利益予想は13億円、同8.4%増> を見込む。夏場の繁忙度次第では、収益の上ブレも期待できそうだ。

株価は1月に付けた年初来高値722円から600円台まで調整し、休養は十分。PBR <株価純資産倍率> 0.6倍と割安感も大きい。さらに、もう一つ見逃せない点が、ロケット向けの推進薬材料を手掛けていること。宇宙産業は政府の掲げる国策で、H2ロケットなどの打ち上げ頻度は増す方向。カーリットHにとっては商機が広がる要素だ。

渋谷工、ヘリオスIPOも追い風

渋谷工業は石川県金沢市に本社を構える飲料用のボトリングシステム大手。無菌環境下で充てんできる装置に定評があり、国内では約60%のトップシェアを誇る。国内外の大手飲料メーカー向けに豊富な納入実績があり、飲料の増産局面では恩恵を受けやすい。

今6月期は装置の売上計上の期ずれ影響もあり、連結営業利益は前期比14.8%減の42.5億円にとどまる見通し。しかし、飲料向けに加え、製薬や農業設備向けが受注を押し上げる来期は増益転換が有望だ。株価は昨年央以降、上値の重い状態が続いていたが、ここへきて信用倍率も改善傾向にある。フシ目の2500円どころを払うと出直り歩調も本格化しそうだ。

プラスアルファの材料は、保有する網膜再生医療ベンチャーのヘリオス <4593・M、医薬品> 株のIPO <新規上場> 。保有株数は30万株に上る。ヘリオスが公開株式数を当初見込みより4割削減したことで需給は引き締まる方向。また、渋谷工は無菌技術を生かした再生医療システムを手掛け、今後のヘリオスの設備投資が追い風となる可能性がある。(6月10日付株式新聞掲載記事)

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