住宅リフォームのネット販売にソニー不動産も商品を「出品」

6月30日、総合オンラインサイトのAmazon.co.jpは、住宅リフォームを工事費込みで販売する「リフォームストア」を開設した。そこでサイトを訪れてみると、売り場は「戸建て向けリフォーム」「マンション向けリフォーム」「ハウスクリーニング」の3つに分かれている。リフォームメニューはキッチン、トイレ、洗面台、お風呂、収納・整理に大別されていて、それぞれの充実した品揃えに驚かされる。

サイト内で「マンション向けリフォーム」を選択してみる。『トイレまるごとリフォーム【マンション 千葉県】』という商品をクリックすると価格は27万9,500円。工事費込みの値段で利用者にとっては分かりやすい。

本や雑貨と同じく、購入する場合は「カートに入れる」。購入後、「ご注文の確認」の返信後に施工会社から連絡が入り、自宅での打ち合わせの日時を決める。そしてリフォームする場所を調査して工事内容をお互いに確認する。ここまでが無料だ。リフォーム工事の契約を取り交わしたら、その段階でAmazonから請求が発生する。そして予定日に工事が行われ、完成後に引き渡しというのがAmazonでの「お買い物」の一連の流れである。

この商品はソニー不動産が出品している。「リフォームストア」開設からほどなくして、同社はAmazonでのリフォーム商品販売を発表。ソニー <6758> は昨年、不動産仲介業に参入した。仲介手数料を率で算出するのではなく、サービス提供にかかるコストから導き出すという斬新な料金設定が特徴だ。インターネット経由で問い合わせをすると手数料が安くなる。

ソニー不動産は住宅リフォーム事業も手がけており、この領域では特に間取りや水廻り、床、天井を大幅に変更する「リノベーション」を得意としている。そうした取り組みが進むなかで、Amazonとオンライン販売の提携が決まった。「弊社は公平性、透明性をポリシーとして掲げています。材料費、工事費込みの商品展開は、いわゆる積算型とは一線を画すものです。Amazonの趣旨に賛同して出店にいたりました」(ソニー不動産広報)。

同社は「シンプルな発注」「分かりやすい価値(値段)付け」を信条としている。「リフォームストア」への出品は、Amazonの利用者に住宅リフォームの新しい選択肢を提供することになる。Amazonへの出品により「多様化している住宅リフォームのニーズに応えます」(同社広報)。そして住宅リフォーム事業の拡大を目指す。一方で、Amazonへの出品はオンライン販売の手はじめであり、将来は提携するECサイトが増える可能性もあるとする。