(写真=PIXTA)
レバレッジ型ETF(上場投資信託)の人気が高まっている。個別銘柄を選ぶ手間が省けるうえ日経平均などより大きく値上がりするチャンスもあって、リスクを好む個人投資家を中心に急速に普及しているようだ。
しかし、その仕組みと値動きの特性は思ったほど理解されていないかもしれない。便利で優れたツールだけに正しく理解して上手に利用したい。
アベノミクスに乗って人気化
代表的なレバレッジ型ETFとしては日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(日経レバ)が挙げられる。「日経平均の2倍の値動き」という分かりやすさと値動きの良さが受け、アベノミクス相場の株価上昇と連動するように売買代金が大きく増えた(図表1)。1日の売買代金が時価総額トップのトヨタを上回る日もあるほどで、今年9月には月間売買代金が5兆円に迫った。
また、人気が殺到して株価指数先物の売買枚数が多くなったため、先物市場に及ぼす影響が大きいとして、今年10月から日経レバを含む3つのETFについて運用会社が新規設定を一時停止している。
これほど人気となった日経レバの基本的な仕組みは極めてシンプルで、運用会社は日々の取引終了時点で投信残高(純資産額)の2倍に相当する日経平均先物の買いポジションを保有する。例えば純資産が100億円なら想定元本が約200億円となるように先物の保有枚数を調整する。こうして翌営業日の値動きが日経平均の約2倍となるようにしている。
実際、横軸に日経平均、縦軸に日経レバの日々の騰落率をプロットしてみると見事といえるほどy=2xの直線に乗っており、日経平均が大きく値上がり/値下がりした日もあまり動かなかった日も日経レバは約2倍の値動きであったことがわかる(図表2)。
なお、前述の新規設定一時停止によってETFの市場価格と基準価格がかい離する可能性が指摘されているが、日経レバのかい離率は概ね1%未満なので、ここでは市場価格の騰落率のみを掲載した。