(写真=PIXTA)
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厚生労働省が発表した昨年11月の有効求人倍率 <季節調整値> は、1992年1月以来、23年10カ月ぶりの高水準の1.25倍となり、労働需給がひっ迫する状況が続く。

一方、政府が今年1月22日に提出した新年度予算案では「一億総活躍社会」の実現に向けて子育て支援や介護サービスの拡大が盛り込まれ、人材不足解消に向けた動きも加速する方向。総合人材サービスや子育て支援を手掛けるジェイコムホールディングス <2462> 、求人情報サイト「バイトルドットコム」を運営するディップ <2379> など人材関連が改めて見直される可能性がありそうだ。

ジェイコムHなど関心

ジェイコムHは携帯電話関連向けを中心とした総合人材サービスの好調が続く。保育関連も、昨年7月に連結子会社化したサクセスホールディングス <6065> との連携強化で採用コストを低減し、同時に待遇の改善で保育士の確保を図っている。

ジェイコムH <週足>

13年10月に子会社化した介護関連事業 <サンライズ・ヴィラ> も介護人材の充実やサービス向上により入居率が9割を超える状況にまで改善し、昨年5〜10月にかけて単月黒字化に転じた。このほか、非連結事業ながらティーガイア <3738> と行う教育研修「キャリアデザインアカデミー」も順調だという。

8日には今5月期の連結営業利益予想を9億8000万円から11億3500万円 <前期比2.4倍> に上方修正した。ただ、上期のほぼ上ブレ分をオンしただけで、下期 <昨年12月〜今年5月> 見通しはまだ保守的。派遣や業務委託といった総合人材サービスから、保育関連や介護関連と幅広く人材関連を手掛け、特に保育関連では労働力需給のひっ迫感が強まる中、今後も成長が期待される。

株価は全般相場が波乱の展開となる中で、中・長期での上昇トレンドを継続。好業績を背景に今後も堅調な展開が期待できそうだ。

保育関連では総合人材サービスのネオキャリア <非上場> が保育士転職支援サービス「保育ひろば」を展開しており、リンクアンドモチベーション <=LINK&M、2170> が同社に出資している。また、みんなのウェディング <=みんなWED、3685・M> は保育士・幼稚園教諭の人材紹介スマホサイト「園ナビ求人」を手掛ける「うるる」 <非上場> と資本提携している。

一方、ディップも求人広告事業の「バイトル」「はたらこねっと」の好調が続く中、紙媒体からネットへの利用を促しており、主婦層などの取り込みを図っている。介護職などと同様に労働力不足が指摘される看護師向けでも人材紹介事業で「ナースではたらこ」を展開している。

ディップの今2月期の非連結営業利益予想は60億400万円 <前期比24.9%増> と既に期初予想から上方修正済み。このほか、求人サイト「エン転職」のエン・ジャパン <4849・JQ> や、就職・転職情報大手の学情 <2301> 、クイック <4318> 、テンプホールディングス <2181> なども要注目となりそうだ。(1月26日株式新聞掲載記事)

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