世の中にはいわゆる「危ない金融商品」が出回っています。株価が上昇しているときはそうでもないですが、不況で金融環境の厳しいときほど、この手の商品が跋扈します。「鳥なき里の蝙蝠」のことわざ通りですね。
いわゆる「危ない金融商品」と言っても2種類あります。
1、表面上リスクが無いように見えるが、仕組みが複雑で思わぬ損をしてしまう。
2、高い配当率と低リスクを騙っている。早い話が「詐欺」。
そこで、金融商品のリスクとリターンの関係を見てみましょう。
表は代表的な金融商品のリスクとリターンの関係を表したものです。
(1)一般的な預貯金は元本を保証されてリスクは小さい代わりにリターンも少ない。今の預金利息は無いも同然ですが。
(2)株式は高いリターンも期待できるが、元本の保証は無くリスクは大きい。上記の1の多くもここに該当します。株式と違ってリスクが見えにくい。株式は落とし穴に「危険」と札が建ててありますが、「危ない金融商品」はなぜか、落とし穴が隠されています。
ここまではお分かりですね。次に
(3)デリバティブの一部の商品はリターンもそれほど期待できないにもかかわらずリスクは大きい。このようなものに投資しても意味の無いように思われるかもしれませんが、このデリバティブを他のリスクの高い金融商品と組み合わせると大きなリスク低減効果が期待できることも有ります。
料理であれば調味料のような存在です。調味料を少し入れたら料理も非常に美味しくなる。それでは調味料だけ丼一杯食べてみたらどれだけ美味しいものなのか?確実に体を壊します。命の危険も有りますね。デリバティブも調味料もわずかで良いです。取り過ぎには注意してください。上記1の一部の商品にこのようなものがあります。どう見ても塩分の取り過ぎの商品です。
(4)リスクが低くてリターンが高い商品。残念ながらこのような商品は有りません。もし、ローリスク・ハイリターンを騙っている商品が有れば、まず、詐欺を疑って…。いや、疑うまでもなく、確実に詐欺です。上記2の商品です。
もっとも、払い込んだお金は確実に戻ってこない、つまり収益率マイナス100%で変動はほぼゼロ。その面ではローリスクとは言えるかも知れません。
ここで注意しておきたいことを紹介します。
「あまりリターンを高くするとさすがに怪しまれそうだな。それではリターンを少し抑えておこう」と、それほど高い収益ではない商品も有ります。ローリスク・ハイリターンでないから詐欺ではない、と言うことにはなりませんのでご注意を。
有田宏(ありた ひろし)
マイアドバイザー登録ファイナンシャルプランナー。CFP、FP技能士(1級)、証券外務員2種(日本証券業協会)、金融広報アドバイザー。
NPO法人北海道未来ネット
/専務理事
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