本記事は、金川顕教氏の著書『50代からの「幸せ」設計図』(ごま書房新社)の中から一部を抜粋・編集しています。

スケジュール
(画像=kunakorn / stock.adobe.com)

スケジュールをギュウギュウに詰めず、余裕を持たせる

プライベートの時間を天引きしておくのも大切ですが、そもそも50代になったら、スケジュールをギュウギュウにしないようにしましょう。

例えば、スケジュールをスカスカにしておけば、仕事でもプライベートでも「今日会えますか?」と言われたときに、「いいですよ」と即答できます。

スケジュールを空にしておくことは勇気がいります。もちろん空けていても、必ずお誘いがあるとは限りません。

しかし10回空けておいて1回しかお誘いがなくてもかまわないのです。9回をムダにしても1回のためにスケジュールを空けておくことは、ガムシャラに仕事をせず、自分の時間で仕事ができるようになる50代にしかできないことです。しかもその9回は、本当の意味では決してムダではありません。その時間は他のことに費やせるのですから。

スケジュールがギュウギュウだと、新たなチャンスは生まれません。みなさんは経験上、仕事やプライベートなどでの大きな転機が、ちょっとした飲み会や食事会での出会いや話から広がることを知っていると思います。

これまでは、それが「たまたま時間が空いていた」からだったかもしれませんが、50代以降はスケジュールに余裕を持たせ、そういう「たまたま空いている時間」を意識的に増やすことが重要なのです。

人生における時間やライフイベントなどを完全にコントロールしようと思わない

時間を管理することは大切ですが、「時間は完全にはコントロールできない」と認識しておくことも大切です。

どんなに綿密にスケジュールをきちんと立てても、計画通りに進むことはまずありません。不測の事態で予定の変更を迫られることや、想定外のことに時間をとられるのが常です。

このことは、日々のスケジュールではもちろんのことですが、将来のライフプランについても同様です。予測のつかない事態が起こるのが人生です。

転機となるような出来事は人それぞれ形を変えて起こります。

例えば、大企業でバリバリ働いていた人が早期リタイアして田舎で農業をしながら、奥さんとひっそり暮らして生涯を閉じるというライフプランを立てていても、地震や台風などの甚大な被害で、ある日突然、多くを失ってしまうこともあります。

他にも、定年退職後に悠々自適の生活を送ろうとしていたら親の介護が始まって、実家との往復の生活になったり、結婚して独立した子どもが離婚して実家に戻ってきたりなど、将来の人生設計を立てていても、中年期以降の生活は全く想定していなかったものになることもあります。

人生における時間やイベントを完全にコントロールしようとすると、その挫折が致命的になり、落ち込んで心のバランスを壊してしまうこともあります。

不可知であるもの、予期せぬことが起きるのが人生だと割り切ることも必要です。

人生を楽しむために、仕事以外の趣味を持つ

「仕事が趣味」と言う人がいます。それはそれでとてもよいことです。しかし、趣味は1つでないといけないというわけではありません。

人生を楽しむために、仕事以外の趣味を持っておくことは大切です。趣味は何気ない日常を刺激あるものにしてくれます。そして、自分が好きなものを調べたり、体験することは心を豊かにしてくれます。

仕事一筋で趣味がない、どうやって趣味を見つけたらよいか分からないという人は、まずは自分の身の回りにあるものを観察してください。

時間の経過とともに、特定のものが増えることは、それだけ自分が好奇心を持っていることだからです。服が多ければ、服に興味を持っているということですし、やったことはないけれどゴルフ番組をよく見ているということは、ゴルフに興味を持っているということなのです。

だからこそ、自分の身の回りにあって、気になるもの、数が多いものに注目してみてください。今まで自分が自覚していなかっただけで、じつは飛行機関連の書籍やグッズが多いとか、調理器具にこだわりがあったなど、意外な発見があるかもしれません。

こうやって、無意識の好奇心を顕在的な好奇心に変えていくと趣味が見つかります。

50代からの「幸せ」設計図
金川 顕教(かながわ あきのり)
経営コンサルタント、ビジネスプロデューサー、投資家、事業家、作家、公認会計士、「YouTube図書館」運営
三重県生まれ、立命館大学卒業。大学在学中に公認会計士試験に合格し、世界一の規模を誇る会計事務所デロイト・トウシュ・トーマツグループである有限責任監査法人トーマツ勤務を経て独立。
執筆活動では、ビジネス書、自己啓発書、小説など多岐にわたるジャンルでベストセラーを連発。
中国、韓国、台湾、タイ、ベトナム等、世界中で翻訳出版されている。

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