本記事は、金川顕教氏の著書『50代からの「幸せ」設計図』(ごま書房新社)の中から一部を抜粋・編集しています。

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(画像=yamasan / stock.adobe.com)

50代は、ワクワクを追いかける最後のチャンスの10年

70代、80代ともなると、「終活」という言葉が頭をよぎるようになってきます。そろそろ人生の総仕上げに向かって、身の回りの整理をしたり、いざというときのための準備や備えをする必要があります。

しかし、50代の場合は、「自分の人生は先が見えた。もう終わりだ」と感じることがあったとしても、平均寿命を考えれば、そこから死ぬまでにまだ20年、30年、中には50年もの時間があるのです。

「人生、もう終わり」と思いながら何十年も過ごすのは、とてももったいない話です。まだまだ新しいことを始められる年代です。

これから先の時間、「自分は何ができるのか」「自分は何をしたいのか」を、ぜひ考えてみてください。

例えば、92歳の現役フィットネス・インストラクターのタキミカさんは、65歳でジム通いを始め、87歳でフィットネス・インストラクターに就任しました。

新聞ちぎり絵作家の木村セツさんは、夫の他界を機に90歳でちぎり絵を始め、作品集を出版したり、作品展も開催しています。

60代、70代でアクティブなシニアを見ると、意外とそのキャリアのスタートが50代以降だったりすることがよくあります。

僕は、学生時代に公認会計士試験に合格しましたが、中には50代から公認会計士を目指し、55歳~65歳で合格している人もいます。

人生を振り返ってみると、「今日」が、今までの人生で一番年を取っています。しかし、未来へ続く人生に目を向ければ、「今日」が、一番若い日です。

みなさんも40歳になったとき、「もう40だし、今さら……」と諦めたことはありませんか? それを今思い返してみれば、40歳なんてまだまだ若かったし何でもできたのに、なぜあのとき諦めたのだろう?と思えてきませんか。

10年後、20年後、50代の自分を振り返ったときに、「あのとき、スタートしていたら」「挑戦をしていたら」と、同じことが起こらないとは限りません。

自分にとって「ワクワクすること」を追いかけていくと、人生は大きく変わっていきます。それは、60代、70代、80代になっても同じです。

「自分には、もうムリだ」という考えは隣に置いて、まずは自由に自分のやりたいことを考えることから始めてみましょう。

50代はまだまだ仕事も現役、何か新しいことを始める余裕もなく、「60代になってから」「定年退職したら」と、先延ばしに考えがちなのが現実です。

でも、あと10年待つのではなく、「今」、始めてみるのです。

50代は、30代や40代に比べると子育ても一段落し、仕事でも煩雑な作業は部下に任せられるようになり、自分の時間を作りやすくなっているはずです。

新しいことを始めるのには活力が必要です。そして、これからの人生を考えると、「今日」が一番活力があります。できるだけ活力が残っている「今」が、新しいことを始める絶好の機会なのです。50代は、自分の「ワクワク」を追いかける最後のチャンスの年代とも言えます。

ぜひこのチャンスを逃さないようにしましょう!

50歳からの成功に、学歴や社会的地位は関係ない

今の50代の人生の前半には、いつも競争や比較といったものがつきまとっていたはずです。

最近は学歴社会も崩れ、一流企業に勤めるよりもベンチャー企業で成功したいと思う人が昔よりは増えてきましたが、50代前後の人が10代、20代のころは、「一流大学に入学し、卒業後は一流企業に入り、出世コースに乗れた人が成功者」という、絶対的とも言える世の中の価値基準があったと思います。

しかしこれから先の人生の後半戦、一流大学出身だとか一流企業勤務といったことは、もうどうでもいいことなのです。やりたいことをやり、毎日を生き生きと笑顔で楽しんで生きている人が、一番幸せで、一番充実していて、一番かっこいい生き方だと思います。

むしろ、いまだに「オレは○○大卒だ」と、過去の栄光を引きずっている人のほうがかっこ悪いです。

50代になれば、学閥や出世競争などから離れて、プライベートを充実させていくことに力を入れましょう。

仕事一筋、24時間働く時代は終わりました。仕事は人生の中でも大きなウェイトを占めて長く続けているものだからこそ、いっぽうで休んだり、他の活動をしたりする時間も必要です。

そこで50歳からは、仕事を続けながら、「自主サバティカル休暇」を取ってみることをおすすめします。

サバティカル休暇とは、勤続年数が多い従業員に数カ月から1年といった長期休暇を与える制度のことです。これまでは社内でそういった制度があっても、なかなか取りづらいと感じていた人が多いかもしれません。

しかし、50歳からは「自分優先」! 長期休暇を柔軟に取れるように、少しずつ環境を整えていきましょう。長期休暇が難しいのなら、並行して他の活動もできるようにしていきましょう。

例えば平日は会社勤めをし、週末はイベントを開催したり週末農業をしたり。また、飲食に興味があるなら間借りで飲食店を営業するなどもいいですね。

やりたいことをやって生きている人たちは、楽しそうで元気です。会社を長期で休んだり、転職したり、働き方を変えたりしながら、仕事とやりたいことの両立を図っているので、ライフワークバランスもよく、心身ともに健やかです。

そういった生活をしていれば、老後の三大悩みである「健康」「お金」「孤独」もいっきに解消されるはずです。

50代からの「幸せ」設計図
金川 顕教(かながわ あきのり)
経営コンサルタント、ビジネスプロデューサー、投資家、事業家、作家、公認会計士、「YouTube図書館」運営
三重県生まれ、立命館大学卒業。大学在学中に公認会計士試験に合格し、世界一の規模を誇る会計事務所デロイト・トウシュ・トーマツグループである有限責任監査法人トーマツ勤務を経て独立。
執筆活動では、ビジネス書、自己啓発書、小説など多岐にわたるジャンルでベストセラーを連発。
中国、韓国、台湾、タイ、ベトナム等、世界中で翻訳出版されている。

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