本記事は、金川顕教氏の著書『50代からの「幸せ」設計図』(ごま書房新社)の中から一部を抜粋・編集しています。
友情は受け身で待つのではなく、自分からつなぐアクションをする
50代は、家族だけではなく友人との関係を見直すことも重要です。生涯の友を持てるかどうかで、人生の豊かさは大きく変わります。
しかし、多くの人は友情に対しておざなりになっています。友人との関係は放置しておけば疎遠になり、いずれなくなります。いつも誰かから誘われるのを受け身で待つのではなく、自ら行動を起こして積極的に友情の「お手入れ」を心がけましょう。
友情とは不思議なもので、学生時代や新社会人になったころの友人など、会わなくなってから長い年月が経っていても、顔を合わせたら一瞬で昔の仲間に戻ることができます。
そんなかけがえのない強い絆も、誰かが呼びかけて同窓会や同期会を主催といった行動を起こさなければ弱まっていきます。
また、友情とは友人間だけに生まれるものではありません。
大ベストセラーとなった『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』を書いたキングスレイ・ウォードは、友情について、「この素晴らしい人間の結びつきの中で最高のものは、たいてい夫婦の間の友情である。願わくば君の2番目に強い結びつきは、君と君の子どもたちの間の友情であってほしい」と語っています。
友達夫婦、友達親子といった言葉がありますが、夫や妻、子どもとの友情は若いときには想像できなかったかもしれません。
しかし50代になった今、家族との友情を温めるチャンスです。もちろん子どもがまだ小さい場合は話は別ですが、子どもが成人しているといった場合は、子どもとも大人の付き合いができるはずです。
夫婦もどれくらいの時間、夫婦関係をしてきたかによりますが、互いをリスペクトし合う良好な関係であれば、そこにはもはや「友情」と呼べるような関係性が存在しているのではないでしょうか。
ぜひ家族との間も積極的な手入れをして、友人のような関係を楽しんでみてください。
友人に嫌われることを恐れず、人生をワンステップ上げる
50代になると、仲間に嫌われることを極度に恐れるようになります。「嫌われているんじゃないか」「嫌われたくない」「嫌われないようにするにはどうすればよいか」、そんな思いが頭の中をグルグルとめぐります。
しかし、仲間に嫌われることは決して悪ではありません。もちろん礼儀がなっていなくて嫌われるというのは問題外ですが、嫌われるということは、その集団の価値観を抜け出していくということだからです。
逆に、その集団で気に入られているうちは、成長もその集団どまりです。
例えば、勉強して資格を取りたいと周りの集団に相談したら、「今さら勉強して何になるの」と言われたり、「今日は勉強したいから、飲み会に出ないで帰るね」と言って帰宅すると、「あいつは付き合いが悪いなぁ」となって嫌われます。
そうやってみなさんの成長を嫌う友人が増えれば、その集団を抜け出すことになるでしょう。しかし、それは結果的にみなさんのことを嫌う友人が減るということです。
その代わり、「今から目指すなんて、すごいね」「勉強頑張ってね」と、みなさんとのことを肯定してくれる友人が残ったり、そういった友人を介して新たな友人と出会うこともあるでしょう。
50代になってまで、人に好かれようとしてこびへつらうことはありません。自分の価値観と合わない人は切り捨ててかまいません。人生のステップアップには必要な過程です。その代わり、嫌われることで新しい仲間と出会うことができると前向きに捉えましょう。
三重県生まれ、立命館大学卒業。大学在学中に公認会計士試験に合格し、世界一の規模を誇る会計事務所デロイト・トウシュ・トーマツグループである有限責任監査法人トーマツ勤務を経て独立。
執筆活動では、ビジネス書、自己啓発書、小説など多岐にわたるジャンルでベストセラーを連発。
中国、韓国、台湾、タイ、ベトナム等、世界中で翻訳出版されている。※画像をクリックするとAmazonに飛びます。
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