本記事は、金川顕教氏の著書『50代からの「幸せ」設計図』(ごま書房新社)の中から一部を抜粋・編集しています。

節約
(画像=ponta1414 / stock.adobe.com)

人生はゲームだと思えば、節約をもっと楽しめる

人間、お金がなければ生きていけません。人が生まれてから死ぬまでにかかるお金は、2億円とも3億円ともいわれています。もちろん、生活スタイルや寿命にもよりけりですが、億単位のお金がかかることは間違いないです。

いっぽうで、得られるお金がいくらかというと、日本のサラリーマンの生涯年収は平均で2億円です。

50代からの50年は、どれくらいの収入があるのかを計算し、どれくらいの支出までが大丈夫か、きちんと計画を立てていくことが大切です。

現役時代であれば、多少贅沢な使い方をしたとしても、翌月の給料やボーナスで埋め合わせをしたり、会社によっては副業をすることもできたでしょう。

しかし定年退職後、年金が収入の柱となれば、より計画的に使う必要があります。

でも、毎日が節約、節約、節約 …… となると、人生が楽しくなくなってしまいます。

そこで、日々の節約を「ゲーム」だと考えるのも手です。

日々の食料品や日用品などは、いかに安く買えるか、スーパーのチラシやネット情報を、ゲームの攻略本だと思って作戦を練りましょう。

「お金を使わない」と考えると、気分が滅入ってきてしまいますが、「お金を賢く使う」と考えるだけで、節約ゲームも楽しくなります。

節約で浮いたお金で少しの贅沢をすれば、さらに節約ゲームが楽しくなります。節約ゲームのターゲットは生活の中にいくらでもあります。光熱費、スマホ代、衣服費、娯楽費、交際費などです。家庭菜園で野菜を育てれば、食費も減りますし一石二鳥です。何より自分で育てた野菜の味は格別です。

ぜひ、「節約ゲーム」を楽しんでください。

暮らしをサイズダウンして、身の回りをコンパクトに

節約する上で他に意識することは、暮らしをサイズダウンすることです。

人間、一度贅沢を味わうと、そのレベルを下げることはなかなか難しいものです。できれば昨日より今日、今日より明日と右肩上がりで暮らしたいですが、なかなかそういうわけにはいきません。

高度成長期のような勢いは、今の日本にはありません。経済は行き詰まり、給料は実質目減りしています。1997年の平均年収は467万3,000円でしたが、2020年は433万1,000円です。

給料だけでも34万2,000円減ったにもかかわらず、消費税は10%に引き上げられ、さらに住民税、社会保険料も増え、物価も上がり、実際には使えるお金が84万円減ったという試算もあります。

そこで50歳を過ぎたら、さらに暮らしをサイズダウンする必要があります。物欲を抑えることが求められますが、青春時代をバブル期に過ごした50代にとっては、レベルダウンをするのは、なかなかつらいものがあります。

そこで生活レベルを下げずに、暮らしをコンパクトにしていく工夫をしましょう。

例えば、スマホを格安スマホに変えるのも1つの手です。スマホを手放すわけではないので、生活レベルが下がることはありません。

車を手放してレンタカーを利用すれば、コストを下げて今までよりも高級な車に乗ることもできます。

外食は店のランクを下げるのではなく、回数を減らすことから節約を。晩酌として、毎晩缶ビールを飲んでいるなら、発泡酒や第三のビールにランクを落とすのではなく、週3日に減らすことで支出が半分になり、さらに休肝日も設けられるので健康にもよいです。

夫婦2人だけの生活なら、今、住んでいる家を売ったり人に貸したりして、部屋数が少ない家に住み替えるのも一考です。

このように生活をダウンサイジングさせて、さらにお金が貯まるようであれば、それはそれで喜ばしいことです。

50代からの「幸せ」設計図
金川 顕教(かながわ あきのり)
経営コンサルタント、ビジネスプロデューサー、投資家、事業家、作家、公認会計士、「YouTube図書館」運営
三重県生まれ、立命館大学卒業。大学在学中に公認会計士試験に合格し、世界一の規模を誇る会計事務所デロイト・トウシュ・トーマツグループである有限責任監査法人トーマツ勤務を経て独立。
執筆活動では、ビジネス書、自己啓発書、小説など多岐にわたるジャンルでベストセラーを連発。
中国、韓国、台湾、タイ、ベトナム等、世界中で翻訳出版されている。

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