確定拠出年金
(写真=Thinkstock/Getty Images)

30歳になると社会人としても慣れ、人生設計や資産運用についても気になってくる時期ではなかろうか。老後はまだ先のことと思いつつも「株で儲かった」などの話を聞くと、自分はこのままでよいのか不安になるものである。

その中で活用できる選択肢の一つが確定拠出年金(DC)だ。もちろん同制度を活用できる状況にいるかどうかにもよって変わってくるが、DCでは運用する金融商品も選べることからメリットも得られる。そこで今回は、意外と知られていない確定拠出年金についてメリットに焦点を当てながら紹介したい。

メリットの多い確定拠出年金(DC)とは?

DCは、公的年金のような確定給付年金とは違い、加入者自身が毎月一定の掛金を支払い、運用方法を選択。運用実績に応じた給付を60歳から受け取るという年金だ。ほかの金融商品と違うところは、運用自体は民間の金融機関が実施しているが、年金制度自体は国が定めた基準によって設計されているということだ。このように国が全面的にバックアップしているものなので、さまざまな税制上の優遇がある。

なぜ国がバックアップしているかというと、高齢社会の進展により高齢者の生活が維持できなくなれば生活保護費が増大するなど社会保障費が増大する危険があるため、自助努力として老後資金を準備する者については積極的に支援し、それを回避する狙いがあるからだ。

確定拠出年金には「企業型年金」と「個人型年金」があり、それぞれ加入できる人が異なる。企業型年金は企業が原則として掛金を拠出するという年金である。一方、個人型年金は自営業者等個人が掛金を拠出する年金だ。それぞれ、条件によって掛金の額に制限があり、(1)企業型年金で確定給付型年金がある場合が2万7500円、(2)企業年金型で確定給付型年金がない場合が5万5000円、(3)個人型年金で自営業者等が6万8000円、(4)個人型でその他が2万3000円となっている。

簡単に確定拠出年金の一般的なメリットをまとめると次の通りだ。具体的には「運用を自分で行えるので、運用次第で老後の資金量が増大すること」「情報の公開性が高いこと」「ポータビリティがあるため転職でも安心なこと」「税制上優遇されていること」などがある。

DCへの掛金には非課税

さらに見ていこう。企業型年金で企業が拠出した額は全額損金となり、企業型年金で個人が拠出した分や個人型年金に拠出した額は全額所得控除の対象になる。要するに、掛金は全額所得から差し引くことができるのだ。NISAなどは運用益が非課税であるが、掛金が所得から控除されるということはなく、確定拠出年金の方がその点では優れている。

給与所得の税額の計算は、給与所得から給与所得控除、社会保険料控除、生命保険料控除などが引かれて課税所得が算定され、それに税率を掛けて算出する。確定拠出年金の掛金が全額、所得控除の対象になるということは、たとえば、毎月2万円を支払った場合、2万円×12カ月=24万円が所得から差し引かれる。一般的になじみの深い生命保険会社が扱う個人年金の場合、最大でも所得控除額が4万円であることを考えるといかに大きい金額が控除されるかがわかるのではないだろうか。

所得税の税率は所得が高くなる程高くなる累進課税なので、所得が高い人ほど節税の効果も大きくなる。ちなみに、年収800万円の場合所得税が23%、住民税が10%なので、24万円を支払った場合、24万円×(23%+10%)=7万9200円が節税できる。30歳から加入して30年間継続する場合、7万9200円×30年=237万6000円の節税になるという計算になる。

運用益に対しても課税はナシ

運用によって利益が出れば、その利益額について通常は20.315%の課税がなされる。しかし、確定拠出年金については、利息、収益分配金、売買益などの運用益についても非課税となっている。つまり、10万円儲かった場合通常の金融商品では2万円の税金を支払わなければならないが、確定拠出年金の場合には1円も税金を払う必要がないので10万円全額が自分のものになるということである。

資産運用では、元本額が大きければ大きいほど利益も大きくなるので、運用益から税金を引かれないということは、引かれなかった分も再投資されることになる。そのため、将来の受け取り額も大きくなるというメリットもある。

年金受給に際しても節税

確定拠出年金は掛金の支払い段階で全額所得控除の対象なので年金給付は本来課税されるべきものであるが、ここでも税制上優遇されている。年金を一時金で受け取る場合には「退職所得控除」、分割払いで受け取る場合には「公的年金等控除」の対象になるのだ。

退職所得控除は勤続年数が20年超の場合「800万円+70万円×(勤続年数−20年)」になるので、30歳で加入した場合には1500万円も控除されることになる。公的年金等控除は、受け取る年齢と年金額によって、一定の額の控除が認められるというものだが、いずれにせよかなりの額が税制上優遇される。

確定拠出年金はさまざまな税制上の優遇措置を受けられるが、そのメリットを最大限享受するためには、できるだけ大きな金額を積み立てることが望ましい。また、老後資金であるから安全に運用しなければならないが、全額預金というのでは運用益に対する非課税制度のメリットが活かせない。したがって、ある程度リスクを取っても運用収益の高い商品ものに組み入れたいところだ。(ZUU online 編集部)

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