自分の年収を考えた場合、そろそろマイホームを手に入れるべき時期なのか、それとも賃貸住宅を選んだほうが賢明なのか。「住まい」の問題は常に誰もが頭を悩ませる、永遠の命題と言っても過言ではないだろう。「年収」と「住まい」について今一度考え直してみることにしたい。

(1) 住宅購入は「年収の5倍まで」のセオリーは正しいのか?

住宅購入,年収
(写真=PIXTA)

住宅ローンの返済負担率は、年収が少ないほど高くなる。ここで注意しなければならないのは、人には生活のために最低限必要とする金額があり、年収の多寡にかかわらず、同じ家族構成ならその額が極端に変わることはないという点だ。住宅ローンが長期間にわたって返済義務のあるお金でもあることを考えれば、まずは一呼吸おいて、自分のライフプランに沿ったシミュレーションを見つめ直す必要があるだろう。

(2) 30代、年収700万円の会社員 いくらのマイホームなら買っていい?

気に入った物件があると、多少無理してでも「年収の5倍までなら大丈夫」などとローンに走ってしまいがちなのだが、いくら銀行の審査に通ったからと言っても、それはあまりにも危険な行為だ。

住宅ローンのアドバイス事業を行っているMFSが提供している無料のウェブサービス「MOGE SCORE(モゲスコア)」は、個人の属性に応じた借入可能額や借入金利を試算してくれる。例え年齢と年収が同じでも、借りられるローンの額や適用金利は大きく変わってくるので、まずは自分のケースを試算しておくことが大切だ。

最近の家賃設定金額の目安として、「手取りの1/4の金額」にするとバランスがいいといわれている。けれども将来の為の貯金や子供の学費、介護費用などを考えると、実際の毎月の家賃は0.5~2.5万円前後は低い賃貸物件を選ぶのが無難だ。

住居のグレード低下に伴う「ストレス」解消も、インテリアにこだわってみるなどの工夫次第で克服できる。また、周辺地の家賃相場などを研究して、大家さんにやんわりと家賃の引き下げを交渉してみるのも効果的かもしれない。