J.Score,AIスコア,
(画像=PIXTA)

子どもの頃は通信簿、受験戦争では偏差値、社会人になったら年収…。これまで、ヒトを評価する際には、定量的な指標が幅を利かせてきた。ところが昨今、その評価方法に変化が生じている。それが「信用経済」という新たな尺度だ。

これまでは信用という定性的なモノサシを可視化することは難しかった。しかし、人工知能(AI)の発達により、信用経済を簡単に数値化できつつあるという。今回は、信用経済における自身の信用スコアについて考えていこう。

定性的な評価をスコア化する

これまで、ヒトを評価するのは「いま現在」の定量的な数字(通信簿、偏差値、年収…)や所属先(学校、企業、団体…)であった。あなたも「あの人は◯◯という一流企業勤務だから信用できる」といった判断をしたことはないだろうか。

しかし、ビジネス環境が目まぐるしく変化する現在、有名企業があっという間に凋落するケースも、決して稀なこととは言えなくなってきた。定量的な指標のみに依存した評価軸ではなく、「そのヒトの本質的価値」を見出すことが必要になってきたわけだ。

そこで昨今、重視されるようになってきたのが「そのヒト自身の発信力や今後の伸びしろ」といった定性的な部分を数字で評価しようとする試みだ。実際、中国では個人の信用力を評価するシステムが広がりつつあり、恋愛市場においても「ボーイフレンドのスコアが気になる」といった信用経済を重視する場面が見られるようになってきている。

AIが将来の可能性も含めてスコア化

日本でもAIを活用して、その人の信用力と可能性をスコア化するサービスが広がりつつある。みずほ銀行とソフトバンクにより設立された株式会社J.Score(ジェイスコア)が展開する「AIスコア」だ。

J.ScoreのAIスコアは、信用力のスコア化において今まで重視されていた「年収はいくらか」「勤務先はどこか」「勤続年数は何年か」といった情報に加え、今までは必ずしも重視されなかった「趣味」「性格」「日常生活における行動パターン」「お金に対する考え方」などの情報を活用することで、スコアの精緻化を目指していることが画期的だ。

このAIスコアは様々な場面で活用が期待されている。既にJ.Scoreは、AIスコアを基に最適な条件を提示する個人向けレンディングサービス「AIスコア・レンディング」を展開している。このAIスコアの大きな特徴は「いま現在」の返済能力だけではなく、「将来の可能性」も判断基準となることだ。より多くの顧客情報を追加することによって、貸出金利や借入限度額が変化するという。

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「時間を買う」という未来への投資

J.Scoreは「より自分を高めたいという気持ちをもったすべての人が、安心して挑戦できる新しい日本をつくる」というビジョンを持っている。

若い人が「夢の実現のために留学したいが、資金がない」「キャリアアップのために資格を取りたいが、今の預金では足りない」といったとき、日本は「お金を貯めてからにしなさい」と我慢を強いる風潮があるのではないか。しかし、誰にとっても時間は有限であり、それがゆえに最も貴重なリソースと言える。

例えば「海外のビジネススクールでMBA(経営学修士)を取得する」といった場合。MBAの取得に2年間という時間と2,000万円の費用が掛かるとしよう。2,000万円の学費と収入が途絶えてしまう2年間分の生活費をビジネススクールに通う前に貯金する必要があると考え、MBA取得のチャレンジを断念してしまうことが多いのではないだろうか。MBAを取得すれば、それまでより年収が上がる可能性は高まり、人脈も広がるだろう。お金の問題でチャレンジを諦めてしまうのは実にもったいないことだ。

もし、学費と生活資金を適切に借り入れることができれば、人生の選択肢は大きく広がる。時間に投資する手段として「借りる」という選択肢を活用したわけだ。借入に伴って発生する金利は、人生にとって貴重な時間を得るための対価、すなわち「未来への投資」ということになる。

信用経済の台頭は時代の要請

同サービスはAIスコアのログをつけることができるので、自身の軌跡を記録することもできる。インターネットの発展によって情報へのアクセスは容易になり、SNSの発展によって誰もが広く意見を主張できる世の中になった。信用経済の台頭は時代の要請とも言えるだろう。

その波に乗るためには、まず関連するサービスを直に触って体感してみることが重要だ。融資を受ける受けないに関わらず、一度、自身の信用スコアを算出してみてはいかがだろうか。

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