確定拠出年金,老後
(写真=Thinkstock/Getty Images)

近年、自助努力による老後資金の準備は、もはや当たり前となりつつある。そうした状況を背景に、このところ特に注目されているのが「確定拠出年金」だ。確定拠出年金は、節税効果が非常に優れているなど、私たちが老後の資金を用意するために最も有効な商品と言える。運用する商品を自分で選択するなど面倒に思える点もあるが、制度を理解して賢く利用すれば、圧倒的なメリットを受けることができるのだ。確定拠出年金の概要を理解して、どのように運用を行えばいいのか学んでいこう。

確定拠出年金とは?

長期の資産形成に最適と言われている確定拠出年金。それは、どのような制度なのだろうか。

確定拠出年金とは、加入者自身が商品を選択して運用し、老後資金の備えをする制度のこと。「企業型」と「個人型」があり、それぞれ加入の条件や対象者が異なる。個人型の場合は、自分で金融機関(運営管理機関)を選び、口座を開設する必要がある。

確定拠出年金の一番の特徴は、退職金制度や確定給付型の企業年金とは違い、運用成績次第で将来の受取額が変わるという点だ。そのため、商品選択や運用の仕方についてしっかりとポイントを押さえ、上手に活用していきたい。

老後の資金形成に効果的な理由

確定拠出年金のメリットは、何といってもその節税効果の大きさにある。企業型の場合、マッチング拠出(企業が拠出した金額に従業員が上乗せする)した金額の全額が、個人型の場合、掛け金の全額を所得控除することができるのだ。また、積立期間中に出た利益にも税金がかからない。投資信託などの商品は運用益、分配金ともに非課税になるため、その分を運用に回すことで、より大きな複利効果を期待することができる。

さらには、年金を受け取る時にもお得は続く。確定拠出年金は、60歳以降の受け取りの際、
(1) 一時金として受け取る
(2) 年金として何年かにわたり受け取る
(3) 一時金と年金の組み合わせで受け取る
という3つの方法がある。そのいずれも、税金が優遇される制度が適用されるのだ。

つまり、確定拠出年金を利用すれば、掛け金を拠出している時から受取の時まで、ずっと節税の恩恵を受けることができる。これは、他の個人年金保険などの節税効果に比べて圧倒的に有利な仕組みになっている。課税所得が300万円以上の人なら、年利にして20%での資産運用も可能になるのだ。確定拠出年金を利用するのとしないのでは、運用開始から受取までに数百万円単位での金額の差になることもある。

金融機関ごとの商品ラインナップに注意

自分で商品を選び、運用を行う確定拠出年金。どのような金融商品の種類があるのか確認していこう。

個人型確定拠出年金の場合、商品を大きく分けると
(1) 元本が確保されている商品
(2) 元本が確保されていない投資商品
の2つがある。(1)の代表的な商品としては、定期預金や一部の保険などがある。(2)の商品は、主に投資信託になり、国内外の債券型、株式型商品のほか、様々な投資先に分配投資する「バランス型」や新興国を対象にしたもの、また、REIT(不動産投資信託)などがある。

ただし、商品のラインナップは、確定拠出年金を扱う金融機関ごとに異なる。ポイントとしては、長期の運用に適している投資信託の種類がバランスよく揃っている金融機関を選ぶのがおすすめだ。口座開設の前に、必ず商品の品揃えを確認しておくようにしよう。

どのような点に気を付けて運用すればいいのか

さて、様々な商品のある確定拠出年金だが、どのように運用していけばいいのだろうか。

最も大事なのは、バランスを考えること、そしてリスクの許容範囲を見定めることだ。現状、確定拠出年金に加入している人の多くが元本確保型の商品を多く保有する傾向にあるが、これでは確定拠出年金のメリットを最大限生かしているとは言いにくい。元本確保型商品は、元本が保証される代わりに高いリターンを得ることも難しくなるからだ。そのため、リスクをどの程度取るかを考えながら商品の保有比率を考えていく必要がある。リスクの許容範囲は、確定拠出年金以外の資産や住宅ローンの有無、その他にもライフプランなどを含めて考えていこう。

また、年代によるリスクの許容度も異なる。若い世代は、老後まで時間があるため、リスクを取り積極的な運用を心がけることができるが、比較的老後が近くなってから運用を始める場合は、安全資産の比率を高くするなどの注意が必要である。

バランス型ファンドから始めるのも有効

FPとして本音を言えば、手数料が安く、市場全体に分散投資ができる「インデックス型」を用いてバランスを取り、ポートフォリオを組むべきだ。とは言え、その「バランスの取り方」が難しいという初心者には、「バランス型」ファンドを推奨したい。

このバランス型ファンドは、国内外の株式や債券、不動産などがあらかじめ一定の割合で配分されている投資信託のこと。運用資産の中で自動的に良い配分にしてくれるため、自分で複数の商品を組み合わせてポートフォリオを作る必要がない。バランス型ファンドは、広く分散投資ができるため、値動きも比較的安定している。老後まで20年以上の時間がある40代までは、このバランス型ファンドで運用を始めてみるのも有効だ。

老後資金の準備は、できるだけ早いうちに始めたいところ。特に、確定拠出年金のメリットは、運用期間が長くなればなるほど大きくなる。まずは、確定拠出年金を取り扱っている金融機関で商品の品揃えを比較し、早速運用を始めてみよう。

武藤 貴子 ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント
会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーや執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。 FP Cafe 登録FP。

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