マンションやアパート経営から得られる収入は、一概に「こうなる」と言えるものではありません。物件のエリアやグレード、また保有する物件数によって収入額が大きく異なるからです。また、物件を購入するためにローンを組んだ場合の返済や利息、修繕費などの支出があれば、さらに異なることになります。とはいえ、不動産投資をしている人の収入は、いったいどのぐらいになるのでしょうか。
そこで今回は、マンション・アパートオーナーの方の年収やその収支構造、そして注目すべきポイントについて考えてみます。収入だけでなく、どのような支出(税金や経費、借入金の返済や利息)が発生するのかも、合わせて押さえておきましょう。
マンション・アパートオーナーの収支構造
マンション・アパート経営の収入と支出には、どのようなものがあるのでしょうか。
まずは収入です。主に家賃収入ですが、保有物件の所在エリアや、物件グレード・状態によって、家賃の金額は変わります。もっとも、相場通りの家賃がいつも得られるわけではなく、おまけに空室の間は、収入はまったくありません。いかに空室率をゼロに近づけるかが、マンション・アパート経営のポイントです。
一方、支出では、物件の購入費用や物件の管理費、修繕費などが大きいでしょう。その他にも、固定資産税や不動産取得税などの各種税金、不動産会社への仲介手数料、物件購入の際にローンを組んだ場合は、その借り入れ利息などの費用が発生します。
アパートオーナーの収入・年収
さて、アパートオーナーの年収です。平均家賃が6万円、10部屋あるアパートのオーナーで考えてみましょう。単純計算すると、満室で月に60万円、年間で720万円の収入になります。同じ家賃・部屋数のアパートを2つ、3つと経営すれば、年収も1,440万円、2,160万円と増えます。所有物件数が多く、その経営が安定しているほど、より多くの収入を得られることになります。
支出についてですが、ローンを組んで物件を購入した場合は、その返済をしなければなりません。一概には言えませんが、家賃6万円からローン返済分や税金、各種費用を除いた1部屋当たりの平均収益が月3万円だったとすると、10部屋のアパート1棟であれば月収30万円、年収360万円ということになります。
マンションオーナーの収入・年収
次はマンションオーナーの年収です。最近は、初期投資費用を比較的安く抑えることができるワンルームマンション投資にチャレンジする、サラリーマンやOLの方が増えてきているようです。が、ワンルームマンションの場合、家賃設定は立地条件やグレードによって大きく異なります。5~15万円の家賃設定が可能でしょう。仮に家賃10万円の部屋のオーナーであれば、単純計算すると年収120万円です。
物件購入のためにローンを組んでいれば、その返済が発生します。その他の費用や税金も考えると、月間の収入は多くて数万円、年収も最大で数十万円でしょう。もちろん、保有物件数が増えれば、年収も増えることになるでしょう。
ただし、ワンルームマンション経営の場合、アパートよりも空室リスクに注意する必要があります。1室のみで経営している場合、稼働率は0%か100%のいずれかです。入居者がいなければ、その間の収入はまったくありません。
アパート・マンション経営は年収だけでは計れないメリットがある
相続などで物件を取得した場合を除き、これからマンション・アパートのオーナーになろうという方は、ご自身でローンを組んで、物件を購入するケースが多いと思います。その場合、頭金を多くして、借入額を少なくしておかないと、月々のローン返済が続く限り、年収はあまり増えません。収支が少しだけ赤字になる場合も少なくありません。
マンションやアパートを購入する不動産投資の最大のメリットは、年収では測れない資産形成効果にあるのではないでしょうか。
あなたがマンションやアパートを購入してオーナーとなり無事に入居者が見つかれば、月々の家賃収入を購入資金のローン返済や各種経費の支払いに充てることができます。もし仮に、収益が少額であったり収支が若干のマイナスだったりしても、悲観することはありません。
ローン返済後には、マンションやアパートという現物資産があなたの手元に残るからです。言い換えると、あなたは数百万から何千万円の価値を持つ資産を形成できるということです。ローン返済後には月々のキャッシュフローは大きく改善することになるで、年収も大きく上昇することになります。
サラリーマン・オーナーならば節税メリットも
また、マンション・アパートオーナーが享受できる税務上のメリットも見逃せません。
なぜ高額所得の方々が副業で不動産投資を行うかといえば、もし仮に不動産投資でマイナスが出たとしても、その損金を給与所得などと損益通算することができるので、結果的に所得税を下げる効果があるのです。実質的には所得税を節税して、その分を不動産という現物資産の形成に充てていることになるでしょう。
節税効果は個々に適用される所得税の税率でかなり違いますが、一般的なサラリーマンであれば、源泉徴収されていた給与所得の税金から還付が受けられた上に、その分を資産形成に充てることができたというわけで、2重に得をしたような話です。
まとめ
サラリーマンの年収とは、月々のお給料やボーナスで得た収入がすべてです。その一方で、マンション・アパートオーナーの収入・年収は、月々の家賃収入だけでなく、長期的な資産形成や節税効果といった、「目に見えない収入」も考慮するべきです。そう考えると、マンション・アパート経営の魅力が、さらに見えてくるのではないでしょうか。(提供: TATE-MAGA )
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