都市ごとのFinTech投資額の調査で、これまで首位を守ってきたシリコンバレーが2位に陥落--。

アクセンチュアと米投資会社パートナシップ・ファンド・フォー・ニューヨークの調査から判明した「世界一のFinTech投資都市」は米ニューヨークだった。

第1四半期の投資総額はニューヨークが6億9000万ドル(約705億1100万円)。対するシリコンバレーは5億1100万(約522億1909万円)。

急速度でFinTech化を遂げるニューヨークの現状が数字に反映された結果、元祖FinTech都市シリコンバレーをしのぐ世界一のFinTechハブが誕生した。

「単独よりも共存」がニューヨークFinTechを拡大

ニューヨークへの投資は昨年の時点ですでに、世界中のFinTech投資の1割に値する23億ドル(約2350億3700万円)に達しており、「FinTech黄金期に突入」といわれていた。

スタートアップを含む数々の企業がニューヨークを拠点に事業を拡大し、ウォールストリートが革命の旗を高々と掲げた。

特に米国のような大都市では、FinTech企業の単独成功が困難だとされている。従来の金融機関と競うよりも調和を選択するほうがチャンスに恵まれるという点で、ニューヨークが理想の都市として認められたのだ。

ニューヨークには積極的にスタートアップを支援しているFinTechイノベーション・ラボや、英バークレイズ銀行の資金調達プログラム「バークレイズ・ライズ」といったトップ・アクセラレータが本拠を置いている。

単独FinTechベンチャー企業への投資と大手企業との共存派への投資の割合にも、過去5年間で大きな変化が表れている。

例えば北米では、2010年には単独スタートアップへの投資と共存スタートアップへの投資割合が6対4だったが、2015年には完全に逆転している。

ニューヨークという一都市に焦点を絞ると、わずか5年間で共存派への投資額が37%から83%まで急増している。

この調査レポートを作成したアクセンチュアの資本市場コンサルティング・サービス部門、キャピタル・マーケッツのロバート・ガシェ氏は、こうした大手企業とスタートアップの提携関係は今後も継続し、「いずれバンキング・エコシステムを根本から改革する」と確信している。( FinTech online編集部

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