米国南東部に位置するノースカロライナ州(人口約950万人)で、ビットコインを含む仮想通貨の取扱い業者にライセンス取得を義務づける「Money Transmitters Act」が、パット・マクロリー州知事の認証を受けて正式に設立された。

事業拡大に役立つ柔軟性のある規制を設けることで、ノースカロライナの産業発展に貢献するほか、テクノロジー企業の誘致も狙っている。ブロックチェーンや仮想通貨関連事業に最適な環境を提供し、ノースカロライナを巨大なブロックチェーン・シティーに成長させるという野望もあるようだ。

一方英国政府は福利厚生の支給に、ブロックチェーンとモバイルアプリを採用。受給者が使用用途を記録し、支給金を管理可能なサービスだ。

「ビットコイン・フレンドリー」な環境で事業促進

ノースカロライナ州は16カ月間にもおよぶ上院審議の結果、仮想通貨に対する規制法案の適正範囲を修正し、ライセンス取得制度の導入に踏み切った。

取扱基準を明確に示すことで、これまで不透明だった仮想通貨の法的位置づけを確立し、消費者に安心感を与え、仮想通貨という「新商品」を主流に押し上げる効果が期待できる。問題になっているマネーロンダリングを始めとする仮想通貨犯罪や、それに関連する金融犯罪の防止にも役立つだろう。

こうした規制はすでにニューヨーク州、カリフォルニア州といった米国の都市や、香港や日本でも設けられているが、どちらかというと「業者の締めつけ」感が強く、ニューヨークでは反発を示す業者の流出も報じられている。

今回ノースカロライナ州が設立した法案は、従来にない「ビットコイン・フレンドリー」な観点から熟考されており、締めだしではなく促進を目的にしている。

ワシントン州に拠点を置く世界最大のデジタル・トレード・アソシエーション、Chamber of Digital Commerceの設立者、ペリアンヌ・ボーリング氏は、仮想通貨にまるわる問題を一つ一つ解決し、「無限の可能性を秘めたブロックチェーン技術を、最大限に活かしたい」とコメントしている。