再び円高、株安が進行しています。アベノミクスで順調に回復してきた株価も、年初来の中国市場の乱調をきっかけに大きく下落し、依然として回復の兆しが見えません。また、為替市場も急速に円高が進行し、ボラティリティーの高い相場が続いています。そうした状況に直面して、資産運用を躊躇した方も少なくないでしょう。
しかし、日銀のマイナス金利政策の影響で、預金金利は過去最低です。銀行に預けているだけでは、あなたの資産は増えません。私たちは今、「積極的に」守る資産運用が求められています。
資産運用ではリスク管理が重要
現在のような市場になると、リスクを取り過ぎていた人は、気がついたら資産が半分になってしまったというようなことが起こりがちです。一方、リスクを管理できている人は、自分の体力以上のリスクを取らなかったので、市場のボラティリティーが高くなっても資金繰りが苦しくなることはありません。また、含み損の出ている株式を売却して損失を確定させる必要もありません。言い換えると、今の荒波をやり過ごして、株価の回復を待つことができます。このように、資産運用ではリスク管理がとても重要なのです。
しかし、自分一人でリスクを管理しながら資産運用すると言うのは、簡単そうで実はとても難しいことです。投資がうまくいって利益がでていると、「もっと儲けたい」と思うのが人情です。また「投資は簡単だ」と慢心するかもしれません。その結果、どんどん投資額を増やしてしまい、結局大きく損を出してしまう人もたくさんいるのです。そこで大切なのが、自分の資産運用についてリスク管理を客観的な視点から見つめ、的確なアドバイスをしてくれるIFA(独立系金融アドバイザー)のような専門家をパートナーに持つことなのです。
IFAのような専門家からアドバイスをもらうためには、私たちはどうすればよいのでしょうか?専門家にアドバイスをもらうときのコツを4つご紹介します。
1. 資産運用目的は明確に
リスク管理が上手にできていない人には、ある共通の原因があります。それは資産運用の目的が明確ではないということです。もちろん、少しでも資産を増やしたいというのは皆さん同じでしょう。ここで指摘するのは、もっと具体的な理由です。子供の教育資金を作りたいのか、住宅を購入するための頭金を作りたいのか、老後の生活資金を作りたいのか、運用の目的が明確ならばリスク管理がしやすくなります。子どもの教育資金を作るために、全財産を投ずる人はさすがにいないでしょう。資産運用の目的がはっきりすれば、IFAがそれを実現するために必要な金融商品を選んでくれます。
2. 資産運用成績の目標も明確に
なかには直接的な目的は無いけれども、とにかく資産を増やしたいと言う人もいるでしょう。そういう方は、自分がどのように運用したいのかをよく考えてIFAに伝えましょう。自分の資産を3倍に増やしたいのか、それとも少しでも増えればよいのか、それによって選ぶ金融商品やポートフォリオの組み方が変わります。ハイリスク・ハイリターンを選択するのか、ローリスク・ローリターンを選択するのか、どのぐらいの利回りがよいのか、あなたの資産運用の成績をどれくらい求めるのか、その希望を明確にしましょう。老後の年金代わりのために資産運用をお考えでしたら、何年後までに資産をいくらに増やしたい、毎月これくらいのキャッシュフローで生活したい、など具体的に伝えるとよいでしょう。