米大統領選挙,銀行,グラス・スティーガル法
(写真=Thinkstock/Getty Images)

民主党大統領候補選では、ヒラリー・クリントン前国務長官に敗れたバーニー・サンダース上院議員だが、「貪欲で、向こう見ず、そして違法なウォール街の好き放題ぶり」を取り締まる熱意は今も燃え盛っている。

7月26日から4日にわたり開催された民主党全国大会では、クリントン氏への支持を表明したものの、以前から「クリントン氏とウォール街の密接な関係」を非難しており、少なくとも金融機関の規制という点では、クリントン氏には任せておけない心境のはずだ。

皮肉なことに、サンダース氏が毛嫌いしている共和党の大統領候補、ドナルド・トランプ氏の方が、「銀行潰し」に関しては、クリントン氏よりも頼もしい同士になりそうだ。

「米史上初の女性候補」は影のウォール街支援者

指名獲得を目指して、対立候補者のクリントン氏と激戦を繰り広げたサンダース氏。圧倒的な支持率を誇っていたにも関わらず、終盤にかけてクリントン氏が追いあげ、最終的には「米史上初の女性候補」に兜を脱ぐ無念の展開となった。

予備選挙選に関しては、サンダース氏に不利に働くことを意図した画策が、ヒラリー氏を支持する民主党指導部内で行われていたというスキャンダルも世間を騒がし、党内が真っ二つに分断されているとの懸念も持ちあがっていた。

しかしサンダース氏が自らの支持者たちに「ヒラリー氏に一票を投じるように」と呼びかけ、表面上は一件落着というかたちでおさまったようだ。

「表面上は」というのは、サンダース氏は大の反ウォール街派で知られており、「テイク・オン・ウォールストリート」という組織を結成して、銀行に対する規制強化を呼びかけている政治家の一人だからだ。

「民主党は主要金融機関の粉砕を要請する」と声を荒げ、1999年に廃止された金融機関規制法(銀行業務と証券業務の境界性を明確に示すなど、銀行が巨大化するのを防ぐ目的で1933年に設立された。)「グラス・スティーガル法」に代わる、新たな規制法案を提案している。

対するヒラリー氏は、グラス・スティーガル法の復活という点などではサンダース氏と同じ意を掲げているが、けっして反ウォール街派というわけではない。むしろサンダース氏や、大統領選のライバル、ドナルド・トランプ氏から、「銀行から何百万ドル(約何億円)という大金を稼いでいる」と非難されている。