学歴別に見た若年労働者の状況

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◆大学等進学の状況~大学進学率は2015年で男性55.4%、女性47.4%。男性は頭打ち。

まず、近年の進学状況を確認する。大学進学率は、男女とも1990年代から大きく上昇し、2015年では男性は55.4%、女性は47.4%であり、男性ではやや頭打ちの状況である(図表1)。

女性では大学進学率の上昇に伴い、短大進学率は1996年より大学進学率を下回って低下し、2015年では9.3%である。なお、大学院進学率は、男女とも微増・横ばいで推移しており、2015年では男性15.0%、女性6.2%である。

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◆若年労働者に占める正社員以外の割合~高学歴ほど低いが大学卒20.4%、大学院修了12.3%

近年、若年層で非正規雇用者が増えていることは冒頭に挙げたレポートで詳しく述べた通りである。本稿では、学歴別の現状を確認する。

厚生労働省「平成25年若年者雇用実態調査」によれば、在学中を除く若年労働者(15~34歳)に占める正社員以外の割合は、中学卒で62.0%、高校卒で42.8%、大学卒で20.4%、大学院修了で12.3%である(図表2)。

高学歴ほど正社員以外が少ないが、現在、大学卒でも5人に1人、大学院修了でも10人に1人は正社員ではない。

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◆正社員以外の若年労働者の働き方選択理由~大学卒や大学院修了では約6割が「不本意」

正社員以外の若年労働者が正社員以外として勤務した理由は、「正社員求人に応募したが採用されなかった」(27.4%)が最も多く、次いで「自分の希望する会社で正社員の募集がなかった」(16.7%)、「元々、正社員を希望していなかった」(15.4%)と続く(図表3)。

学歴別に見ると、「正社員求人に応募したが採用されなかった」は高専・短大卒や大学卒、大学院修了で多く、「元々、正社員を希望していなかった」は中学卒で多い傾向がある。

なお、大学卒・大学院修了では、「正社員求人に応募したが採用されなかった」と「自分の希望する会社で正社員の募集がなかった」を合わせると約6割を示す。つまり、大学卒や大学院修了の約6割は不本意な理由で正社員以外の立場で働いていたことになる。

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◆正社員以外の若年労働者の今後の希望~大学卒の54.4%、大学院修了の70.7%が「正社員」希望

正社員以外の若年労働者の今後の働き方の希望は「正社員」(47.3%)が約半数を占めて多く、「正社員以外」(28.7%)が続く(図表4)。

学歴別に見ると、「正社員」は特に大学院修了(70.7%)で多く、次いで大学卒(54.4%)で多い。