九重親方(元千代の富士)がすい臓がんで他界したニュースは記憶に新しい。2人に1人ががんになるといわれるくらい、がんは他人事ではない。もちろんこの数字は、高齢者まで含めた平均であって、20代、30代でも2人に1人ががんにかかっているわけではないことは念頭に置く必要があるが、筆者の周りにもがんと戦っている人がいる。
ちなみに、がん情報サービスによると、2014年死亡数が多い部位は、男性女性と相違しているが、肺、胃、大腸だ。
いざがんになった時に、少しでも自己負担を少なくするためにも、安心して抗がん剤投与などの治療を受けられるようんみするためには、がん保険は検討してもよいだろう。
「責任開始日」をチェック
保険の内容で特に気をつけるべきところはどこだろうか。すでに、がん保険に契約している人でもいまいちど契約書をみてみよう。
まずはがん保険特有の免責期間だ。生命保険は契約して1回目の保険料の払い込みがされてから保障が始まる。これを「責任開始日」という。
しかし、がん保険の場合は、ある期間にがんになっても保障がおりない「待ち期間」というものがある。責任開始日から90日経過しなければ保障期間が開始されない。万が一、この待ち期間にがんと診断されるようなことがあれば、契約が無効となるのでがん保険に入るのであれば早めに検討すべきだろう。保険会社によっては、がん保険でも待ち期間がないタイプの商品もあるのでFPに相談するといいかもしれない。
「診断給付金」の内容を確認
がん保険で最も重要かつ金額が大きいのは診断給付金だ。がんと診断されたら1回だけしか給付金がおりないものが多いので回数を確認したい。
がんの再発・転移などが見つかり、2回目以降は最低でも「2年以上経過している場合に限り有効」としている場合が多い。がんを患った場合、定期的に検査をするので、がんの再発・転移は2年以内に見つかる確率が高いといわれている。その場合は「2年以上経過」という給付条件に当てはまらないので給付金がもらえないということになる。「診断給付金」の支払い条件と回数を必ず確認しなければならない。
そして上皮内新生物で支払われるかも確認事項だ。上皮内新生物というと何のことかさっぱり分からないかもしれないが、これは初期状態のがんのことだ。保険の商品によっては、この初期がんが給付金の支払い対象にならない場合がある。