日銀の金融政策決定会合、総括的な検証を月末に控え、日本経済の四半期見通しを紹介する。
成長率予測
2016年の実質GDP成長率は、潜在成長率程度の成長を予想(+0.5%)し、2017年は大きく上回る(+1.1%)と予想
グローバルな景気・マーケットの不安定感が続き、円高が進行してきた。企業心理への下押しが大きく、企業活動が抑制されており、2016年の実質GDP成長率は潜在成長率程度(+0.5%)になるだろう。政府・日銀の危機感は大きくなり、デフレ完全脱却へのコミットメントは強く、財政・金融政策による景気下支えが実施された。
政府の新たな経済対策は、2017年度末までに実質GDPを1%程度、押し上げる力があると考える。企業の雇用不足感は強く、1%程度の安定的な物価上昇率と整合的な自然失業率の3.5%程度から、3%を下回る水準に向けて失業率は更に低下し、実質総賃金が拡大し、内需の回復トレンドは強くなっていくだろう。
2017年には、米国景気の堅調な回復がFEDの利上げの進展につながり、円高圧力は自然に減じていくだろう。グローバルな景気・マーケットは安定化し、輸出と生産のサイクルも持ち直していくと考えられ、実質GDP成長率は潜在成長率を大幅に上回る(+1.1%)と考える。