君の名は。,岐阜,聖地
(写真=PIXTA)

最近、「岐阜」を舞台にしたアニメ映画が相次いで公開されている。8月に公開され、大ヒット中の「君の名は。」以外にも、公開を控える作品がある。アニメの舞台(聖地)ランキングでも、岐阜は全国第6位にランキングされ、すでに多くの聖地巡礼者が、岐阜を訪れているらしい。この岐阜人気の理由は、一体どこにあるのだろうか。

いまアツい、「君の名は。」の聖地は飛騨

2016年8月に公開された「君の名は。」は、新海誠監督の長編アニメーション最新作。公開前から大きな話題になっていたが、公開後もその魅力的なストーリーが大いに評判を呼び、初日から8日間で観客動員は212万人を突破し、興行収入は27億円を達成するなど、予想以上の大ヒットとなっている。

ストーリーは、高校生の男女が夢の中で入れ替わるところから、物語は走り始める。新海誠監督の「秒速5センチメートル」、「言の葉の庭」等と同様、瑞々しく鮮やかな自然の風景や情緒ある街並みは見ものだ。

ヒロインである女子高生が住む山深い田舎町のモデルとなっているのが、岐阜県飛騨市である。

飛騨市は岐阜県の北部に位置し、美しい河川や雄大な山々に囲まれた町。里山サイクリングや、郷土料理・飛騨牛の朴葉みそ焼き、合掌造り集落、高山祭に古川祭りなどの伝統行事もあり、魅力ある町として人気のある観光地だ。一方で、若い人たち向けの集客スポットは少ないという悩みを抱えていた。

そこに降って湧いたような“聖地巡礼”の波である。早くも今、「君の名は。」のファンたちが集結しているという。

飛騨市観光課も、映画の舞台に選ばれた喜びと同時に、このブームをチャンスにしたいという期待を膨らませているようだ。

岐阜には実は何作品もの聖地があった

そもそも“聖地巡礼”とは、アニメ作品のモデルとなった場所(スポット)を“聖地”に見立て、その地を訪問すること。最近では日本中400カ所以上ともいわれる、聖地を巡る猛者も増えているという。

聖地巡礼の経済効果は自治体によっては20億円以上ともいわれ、とくに過疎や人口減少などの問題を抱える地方にとっては、新たな観光資源としての期待も高まっている。