プロ野球の広島東洋カープが25年ぶりのリーグ優勝を果たし、地元広島を中心に祝杯モードに包まれた。ビジネスの世界でも、この機会を逃すまいと各社があの手この手で攻勢をかける。地元のデパートでは選手たちが祝勝会で着用していた特製Tシャツが人気を集めたほか、7回目のリーグ優勝にかけて子供服が2点700円で販売された。
また、飲食業界でもラーメンチェーン「一風堂」が、広島の一部店舗で優勝決定の翌日に替え玉が無制限で無料となるセールを実施。こうして、様々な企業などがカープの優勝にあやかり、四半世紀ぶりの訪れた商機に、球場外でも熱い闘いが繰り広げられている。
二次波及効果で経済効果もアップ
関西大学の宮本勝浩名誉教授の試算によると、2016年広島東洋カープのリーグ優勝による経済効果は、地元広島県で約331億5000万円にのぼる。この試算は、球場に来場したファンの消費額、百貨店や飲食店、地元の商店街など優勝セールの消費額、放送権や監督・選手によるテレビ・ラジオ・新聞、雑誌などへの出演による収入の増加額などを合算し、優勝した年としなかった年を比較してその効果がどれだけ押し上げられたかを測った。
算出には、直接効果とされる一次波及効果の原材料売り上げ増加分と、一次波及効果で売り上げがアップした企業や店舗の従業員の所得も比例して上がる二次波及効果が含まれる。