ロボットアドバイザーと人間のファイナンシャル・アドバイザー(FA)の利点を組み合わせた新感覚のFAツール「ベストマークワン・ロボソリューション」が開発された。
ロボアドは手軽で便利な反面、細やかなアドバイスという点ではFAに劣る。またあくまで単独業務となるため、企業にとっては組織全体の効率化が図りづらい。そこで一部に人間の関与を取りいれることでそんなジレンマ解消してくれる、ビジネス顧客向け投資アドバイス・管理プラットフォームが生まれた。
ロボアドと他サービスの融合が次の革命に?
開発したのは米FinTech会社、ベストマーク。設立15年、顧客数170万人、運用資産額5500億ドル(約57兆185億円)という大手で、人気ロボアド「ユニファイド・ウェルス・マネージメント」でロボアド市場に参入している。
AI(人工知能)ならでは応用力の乏しさゆえに「複雑なアドバイスに向けではない」と評価されているロボアドだが、欠点はそれだけではない。すべての業務がデジタルに依存しているがゆえに、中間層やバックオフィス(事務管理部門)との連結業務が不可能であり、「効果的なエコシステムを築きにくい」という不満がロボアドソフトを利用しているビジネス顧客からあがっている。
「ベストマークワン・ロボソリューション」はロボットと人間の利点を共存させ、ビジネス顧客に効率性と利便性を同時に提供する目的で開発された。 銀行からブローカー、アセット・マネージャーまで、ビジネス顧客はロボットからサービスを受けながら、必要に応じてFAのアドバイスに切り替えることが可能だ。
また従来のロボアドがETF投資に重点を置いているのに対し、ミューチュアル・ファンド、総合管理口座(UMA)、ラップアカウント(SMA)などに関するアドバイスも行ってくれる。
ベストマークのロブ・クラップロドット社長は、本来は大手リテール機関向けに開発された「ベストマークワン」に改良を加え、金融機関にも同様のサービスを提供するに至ったという。「高コストというFAの難点を排除したデジタル・アドバイスを提供することで、幅広い分野の投資家の需要を満たすことができる」と、ビジネス向けロボアドの革命となる可能性を秘めた新プラットフォームの誕生に満足気だ。
ロボアドと他サービスの融合はロボアドを次の成長段階に押しあげるという試みとともに、今後新たな主流となりそうだ。P2P投資とロボアドを融合したFA用ツール「レンディング・ロボット・フォー・アドバイザーズ」なども登場している。( FinTech online編集部 )
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