中国初のオンライン保険会社として注目が集まる衆安保険(Zhong An)が11月4日、子会社、衆安保険情報・技術サービス(ZhongAn Information and Technology Services)を設立したことを明らかにした。

ZhongAn Information and Technology Servicesでは、ブロックチェーン、AI(人工知能)、クラウドなどを屈指した保険商品やサービスの開発を主に行う。金融革命を追求することで新たなFinTechエコシステムを構築し、アクセラレータとして金融、医療の両分野で貢献することが目標だ。

分散ネットワークにはイーサリアムの技術採用

アリババ・グループと大手ネット会社、Tencentによって、2013年に共同設立されたZhongAn。KPMGの「世界で最も成功しているFinTech企業100」でも、欧米の強豪を押しのけて首位を獲得するなど、猛烈な快進撃を続けている。

今回のテクノロジー分野への参入で、その勢いをさらに加速するだろう。ZhongAn Information and Technology Servicesでは、ブロックチェーン、AI(人工知能)、クラウド、ビッグデータなどを中心にした次世代商品開発が進行中だ。

すでに公開されているクラウド・プラットフォーム「Anlink」のほか、保険、消費者金融、資産管理、医療関連の革命的な商品が続々と生みだされている。ZhongAnが提携企業に提供している保険取引用ブロックチェーン・オープン・プラットフォームも、企業の作業能率を大幅に向上させるツールとして好評を得ている。

ZhongAnの最大の強みとなるのは、設立以来300種類をこえる保険商品を通して築きあげられた、消費者の需要に見合ったエコシステムだ。ZhongAn Information and Technology Servicesはこうした強みを最大限に活かし、技術開発だけではなく市場を先導するビジネスモデルとなることを目指している。

上海ブロックチェーン開発研究連合(Shanghai Blockchain Industry Development Research Alliance)が手がけるプロジェクトにも参加し、中国のブロックチェーン市場促進に向け、20社以上の企業と協力して積極的に活動中だ。

分散ネットワークにはイーサリアムの技術を採用。イーサリアムの設立者、ヴィタリック・ブテリン氏は「中国の保険産業がブロックチェーン技術の採用に積極的なのは、非常に喜ばしい」と、ZhongAnの働きかけが起爆剤となり、より多くの中国企業がブロックチェーンに関心を示すことへの期待を示している。( FinTech online編集部

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