ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、バンコ・サンタンデールの三大銀行が、ブロックチェーン・コンソーシアム、R3から脱退する意向を明らかにした。

三社ともに正式なコメントは発表していないが、メンバーシップの更新はせず、今後は独自のブロックチェーン研究を続行するものと推測されている。原因はR3CEVによる多額の資金調達にあるとの見方が強い。

調達目標資金を226億円を170億円に引きさげても脱退計画遂行?

R3コンソーシアムは両銀行に加え、JPモルガン、バンク・オブ・アメリカ、UBS、クレディスイス、三菱UFJファイナンシャルグループ、みずほファイナンシャルグループなど、国際大手銀行によって昨年結成された。ブロックチェーンによる暗号アプリケーション、分散型元帳プロトコルで金融市場の効率化を図る手段を探索することが目的だ。

しかし今年にはいり、コンソーシアムの指揮をとるR3CEVが分散型アプリケーション「Corda」提供の見返りに、加盟銀行から最大2億ドル(約226億3600万円)の資金調達を目論んでいることなどが、複数の米メディアに報じられた。

その後、ゴールドマンなどの脱会防止策としてか、R3CEVが資金調達額を1億5000万ドル(約169億7700万円)に引きさげたとの報道も出回っていた。問題は金額の大きさよりも、「Corda」の採用に関する意見の衝突に起因するとの説もある。

現時点ではゴールドマン広報部からメンバーシップ更新の却下が公にされているほか、サンタンデールが契約破棄の事実を認めている。それを追うように、スタンレーも同様の動きを見せていることが確認された。

ゴールドマン、サンタンデールはデジタル・アセット・ホールディングスを含むほかのブロックチェーン・スタートアップにも投資しており、雲行きの怪しくなり始めたR3CEVとの提携関係にあえて執着する必要性を見いだせないといったところだろうか。

他行追随も懸念されているが、バンカメ、UBS、バークレイズなどは、残留の意思を示している。( FinTech online編集部

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