仕切りやポケットは少ないほどいい

「荷物が多いとき用」と「少ないとき用」、それぞれのカバンについて、選び方や使い方のポイントをお話ししましょう。

まず、「多いとき用」としては、開口部が広くてマチがあるカバンを選ぶこと。最近増えてきたビジネストートバッグやビジネスリュックなどがお勧めです。カメラメーカーが作っているメッセンジャーバッグにも良いものがあります。

ポイントは、仕切りやポケットがやたらと多いものよりも、空間がだだっ広いものを選ぶこと。仕切りがあったとしても、柔らかくて融通が利くものにしてください。

使い方としては、カメラなどの大きいものはそのまま、文具や充電器などの細かいモノはそれぞれポーチにまとめて入れて、どんどん入れていくだけです。

ただし、縦にして入れるのがポイント。水筒やペットボトル、折り畳み傘などはもちろん、文具などを入れるポーチも縦長のものを選んで、カバンの中に立てるようにします。縦長のポーチは100円ショップでも売っていますし、もちろん、こだわって良いペンケースを使ってみるのも楽しいものです。

ノートや書類、タブレットのような平たいモノは、立てて入れたモノの隙間に差し込めばいいでしょう。

開口部が広いカバンに、モノを縦にして入れれば、開けたときにひと目でどこに何があるかがわかりますし、取り出しやすい。モノの定位置まで決めて細かく管理するより、これくらいの整理のほうが、かえって使い勝手がいいのではないでしょうか。

ちなみに、仕切りやポケットが多いカバンは、そのぶん布の量が多いので、重くなります。また、見た目よりも実際の容量が小さい。逆に、仕切りやポケットが少ないカバンは、容量のわりにかさばらず、軽い。これもメリットです。

「荷物が少ないとき用」としては、最近増えている薄マチのブリーフケースがお勧めです。A4サイズがギリギリ入るくらいの大きさで、重量も軽い。肘にかけたまま電車の吊り革をつかめるくらいのものです。

ここに、文具、スマホやタブレット、スマホのバッテリーとそれにつなぐケーブル類くらいの、本当に最小限の荷物を入れるのです。

「少ないとき用」のカバンを選ぶときのポイントは、「荷物が一番少ない日の、一番大きい荷物は何か?」を考えること。すると、自動的にサイズが決まります。ちなみに私の場合は、「折り畳み傘」です。

部屋の中にあるモノと比べれば、カバンの中にあるモノの量はたかが知れています。細かく整理しなくても、どこに何があるかがすぐにわかって、すぐに取り出せ、すぐに戻せれば十分、と考えればいいでしょう。

納富廉邦(のうとみ・やすくに)フリーライター
1963年、佐賀県生まれ。フリーライターとして、モノ系、江戸系、IT系、飲食系、娯楽系、アート系など幅広いジャンルで、新聞、雑誌、Webなどに執筆。連載、著書多数。近著に『大人のカバンの中身講座』(玄光社)がある。AllAbout「男のこだわりグッズ」ガイドも務める。その他、雑誌編集、グッズの企画、講演、店舗や製品のプロデュースなども行なう(取材・構成:川端隆人)(『 The 21 online 』2016年11月号より)

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