ポーランドのアイデア・バンクが1月5日、実際の走行距離に応じて毎月の返済金額が算出される、次世代自動車ローンの販売を開始した。

定期的に車を利用しない消費者のローン返済額が軽減されるほか、従業員に業務用自動車を貸しだしている企業にとってはキャッシュフローの改善が期待できるなど、自動車ローンの常識をくつがえす革命的商品となりそうだ。

FinTechの革命力を自動車ローン産業にも

世界初のpay-as-you-drive(走った分だけ払う)型ローン「Happy Miles」では、走行距離とキロメートルに基づいたレートで返済金額を割りだすという画期的な返済プランを採用。走行距離は車に搭載されたGPSデバイスで自動的に算出され、こまめにチェック可能だ。

「バンキング・テクノロジー」の報道によると、この革命的な新商品を開発したアイデア・バンクの取締役員、ドミニク・ファジュバスエウィクス氏は、銀行産業がFinTechによって生まれ変わろうとしているにも関わらず、自動車ローン産業にはその影響力が十分におよんでいない点にかねてから不満をいだいていた。

そこで「次世代自動車ローン革命を起こすきっかけに」という期待を胸に誕生させたのが、「Happy Miles」だ。

例えば車の利用が不定期な消費者の場合、車やガソリンへの先行投資が負担になるといった懸念がある。しかし「Happy Miles」では自分が利用した分に応じて返済できるため、返済負担率の調節が楽になる。

また企業にとっても自動車を眠らせておく期間の経費が抑えられるうえに、GPSデバイスで従業員のパフォーマンスを追跡できるという利点がある。

アイデア・バンクは昨年、ポーランド最大のリース会社、ジェティン・リーシングを買収するなど、リース産業での事業展開拡大を着実に進めている。「Happy Miles」でさらなる飛躍が期待できることは間違いないだろう。( FinTech online編集部

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