デロイト(Deloitte)がFacebookによる支援のもと実施した最新のサーベイから、企業のトップの意識が急激な時代の変化に対応する姿勢へと移行しつつあることが判明した。

特にデジタル改革に関しては、調査に協力したCEO、CFO、COOを含むエクゼクティブ245人のうち、7割以上がデジタルツールの導入を検討中であるほか、5年以内にデジタル化に対応可能な組織再編が必須事項になると予測している。

「内部のネットワーク化が必須」7割のエクゼクティブが回答

デロイトは昨年9月、第4産業革命期への突入が企業のエクゼクティブの意識にどのような変化をもたらせたかを探る意図で、本調査を実施した。その結果、既存の企業形態からの脱出を今後の課題と考えるエクゼクティブが多く、「コミュニケーション」「コラボレーション(協力)「コネクティビティ(連結)」の3つが軸となっている。

中でも「内部のネットワーク化」は非常に重要な課題として受けとめられており、69%が自社のミッション(使命)やビジョン(展望)を明確化するうえで、内部での透明性向上を含めた「企業姿勢」が必須事項だと回答している。また40%が上層部だけが重大決定をくだすという従来のスタイルから、中層部、下層部の意見も取りいれた包括的な組織システムの構成を目指している。

今後組織を支える主力としてはミレニアム世代に期待が寄せられているが、既存の現役世代も同等の評価を得ている。世代差が組織にもたらす利益を78%が認識している。外部との提携に関心を示しているエクゼクティブも多く、65%は「成長や革命のチャンスは外部からもたらされる」とし、48%が提携関係が優秀な人材の確保・維持に貢献すると確信している。

デジタル化にも積極性が見られ、76%がメールに代わるデジタルツールが主要なコミュニケーション手段になると予測。組織力を高めるうえで欠かせない進化であると受けとめている。

デロイトは著名実業家、ジェフリー・ジョーアズ氏の「未来の企業では、上層部が自ら手本となって組織全体をリードしていく」という言葉をレポートに掲載し、エクゼクティブが新たな組織環境への順応を迫られていると結論づけている。上層部には幅広いネットワークの構成能力や、組織力を最大限に引きだす模範能力が問われる時代が到来したようだ( FinTech online編集部

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