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(写真=Thinkstock/Getty Images)

アメリカン・エクスプレスが「列車のストライキに対する定期乗車券の補償」に応じたことが、英国で予期せぬ波紋を呼んでいる。

消費者とリテーラー間で生じた契約不履行や詐称行為の賠償責任をクレジット会社に義務づける「消費者信用法75章」が、「サービスの不尾行」としてストライキに適用されたのは前代未聞であるため、今回のストライキを理由に補償を求める消費者が急増する可能性もある。

ストライキは補償範囲のグレーゾーン アメックスは5割支払い

英国で発行されているクレジットカードで購入した100ポンド以上3万ポンド(約1万3965円から418万9667円)以下の商品は、すべて1974年に成立した「消費者信用法75章」で保護されている。例えばオンラインや店頭で購入した商品が届かない、サービスが規約と異なるなどの苦情に販売側が応じないといったトラブルが多いが、クレジットカードで購入しているかぎりカード会社が代わって補償してくれる。消費者にとっては非常に心強い法律だ。

今回アメックスの対応が注目を集めている理由は、これまでストライキによる補償例がなかったためである。英ガーディアン紙の報道によると、ことの発端は英国のアメックス顧客による保険給付金の支払請求だ。この消費者は1月13日に英中南部を運行する鉄道「Southern Rail」で実施されたストライキに対し、「消費者信用法75章」が適用されると保険給付金の支払いを請求した。

請求をうけたアメックスは法的規制を遵守するかたちで、自社カードで購入されていた年間定期乗車券4800ポンド(約67万514円)の半分相当、2400ポンド(約33万5257円)の補償に応じた。

この勝利によって、何千人という通勤者が同様の支払請求でカード会社に殺到するのではないかという懸念が持ちあがっているが、かならずしも、ストライキによるサービス不尾行が消費者信用法75章に含まれることを意味するわけではないようだ。

通常の補償では全額が支払われるが、アメックスは50%のみ払い戻した。「消費者信用法75章」の規制は複雑で、実質的な支払金額などの判断はカード会社によって異なる。つまりストライキがアメックスが規定する補償範囲として、グレーゾーンであったということになる。

今回の例にならって同様の支払請求が急増すれば、カード会社はたちまち補償基準を強化するだろう。Southern Railは「カード会社による補償については、カード会社と消費者間の問題」とあくまで部外者としてのスタンスを保つ一方で、ストライキの影響が思わぬ範囲にまでおよんだことに若干驚いているようだ。(ZUU online 編集部)

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