Airbnbが米P2P決済スタートアップ、 Tiltの買収合意に至ったことが、複数のメディアの報道から判明した。
正式な買収額は公表されていないが、最高6億2100万円(約696億6378万円)という路線が濃厚だ。グループ決済システムの構築を狙うAirbnbと、資金繰りに詰まり始めたTiltの需要が一致した結果のようだ。
IPOは先延ばし?今年2件目のスタートアップ買収
2008年の設立以来、共有経済ブームに乗って瞬く間に独自の国際宿泊ネットワークを確立したAirbnb。現在世界191カ国、65万都市で、1億5000万人から利用されている。事業拡大の一環として、決済市場への進出を検討中であることが報じられていた。
Airbnbが目をつけたのはサンフランシスコ発の団体向けP2Pスタートアップ、Tiltだ。複数の相手に一斉にデジタル請求書を発行し、直接回収できるリアルタイム決済ツールで一躍脚光を浴びた。これまで4度の資金調達ラウンドをとおして、総額6210万ドル(約69億6141万円)を獲得している。
交渉が合意至ったことで、今後Tilt側は再編される。ジェームス・ベシャラCEOを含むサンフランシスコのオフィス従業員は引き続き地位が保証されているが、リモートチーム(在宅勤務中心の従業員)に属する従業員の多くが職を失う可能性があると、ビジネス情報サイト「fastcompany.com」などは報じている。
Tiltには米最大規模のソーシャルニュースサイト「Reddit」の共同設立者、アレクシス・オハニアン氏なども投資している。Tiltが未来のP2Pリーダーに成長することを夢見て支援を続けていたこれらの投資家にとって、Airbnbへの吸収は手放しで歓迎できる動きではないだろう。
Airbnbは積極的に事業拡大に乗りだしており、今年2月には英高級ホリデー・レンタル・スタートアップ、Luxury Retreats、昨年はビットコイン・スタートアップ、Changecoin、スペインのホリデー・アクティビティ・スタートアップ、trip4realも買収した。
度々話題になっているAirbnb上場については、年内実現となる可能性は低そうだ。( FinTech online編集部 )
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