クレディスイスは3月2日、シンガポールのスタートアップ、Mesitis Pteとの提携をとおし、アジア圏におけるデジタル・プライベート・バンキング業務強化に乗りだす意向を、ウェブサイト上で明らかにした。

マルチ・ポートフォリオ管理プラットフォームを採用し、次世代プライベート・バンキング・システムの構築に乗りだす。

顧客の不満から生まれた自動口座集約システム「Canopy」

クレディスイス・シンガポールのデジタル・バンキング顧客は、Mesitisの開発した自動アカウント・アグリゲーション(複数のオンラインバンキングの口座情報をひとつのスクリーンに集約表示するシステム)「Canopy」の利用が可能になる。

「Canopy」では、世界各地で保有しているあらゆる種類の担保可能資産および無担保資産に、アンドロイド搭載のスマホからアクセス可能。資産増加に役立つ洗練された検証・分析も提供している。

クレディスイスは過去2年間にわたり富裕層顧客から収集したフィードバックから、多くの顧客が単一ポートフォリオ・プラットフォームに関心を示している点に着目。顧客経験の向上に向け、「Canopy」の採用に踏みきったという。

このツールはそもそも「データ過剰なわりに、必要な情報が少ない」という、時代遅れのバンキングシステムに対する消費者の不満を解消するために生まれた。Mesitisのタンマイ・シャーマCEOは、こうした傾向が特にプライベート・バンキング顧客に多く見られると指摘している。

クレディスイスはログインの際の安全性を高める目的で、「SecureSign」という認証システムも導入。メール上のイメージをスキャンして認証コードを入力するという徹底ぶりだ。

クレディスイス・プライベート・バンキング・アジア太平洋部門の責任者フランチェスコ・デ・フェラーリ氏は、「プライベート・バンキング分野におけるデジタル化の最高峰となることが目標」と述べている。今後もスタートアップなどとの提携をとおし、アジア圏で積極的にデジタル改革を拡大していく構えだ。( FinTech online編集部

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