2013_honda_fit-pic-4433342635172393936

2014年3月期の純利益は、56%増の伸びとなっており、伸び率では1位のトヨタ(90%増)に次いで良い業績結果となりました。売上げ高も前年同期比で19.9%増の11兆8400円となっており、営業利益も37.7%増の7500億円となっています。2014年には国内販売で103万台という目標を掲げており、世界販売では483万台を見込んでいると言います。好調なホンダを支えるエンジンとは、何なのでしょうか。


中国メディアも絶賛する「フィット」が好調

好調な業績の影響のひとつに「フィット」の売れ行きが好調であることが挙げられます。5月の国内販売成績も1万2984台で1位となっており、前年同期比の販売から37.8%増で3ヶ月連続の1位です。(2位はアクア(トヨタ)1万2138台、2位はプリウス(トヨタ)9788台)また、中国で発表された「新型フィット」が中国メディアにて「新型フィットの最大の強みは価格であり、ほかの小型車にくらべて魅力的だ」絶賛されています。中国のインターネット上にて好きな小型車を聞いたところ、新型フィットが6割近くの指示を集めて1位になったという話もあります。


好調な販売数の裏にある懸念材料とは

「フィット」の販売好調な裏で、財務諸表からは多少の懸念が感じられます。営業利益率が6.3%となっており、14年度も改善はせずに6.0%の見通しとなっています。(ちなみにトヨタ自動車も13年度は6.0%でしたが、14年度は8.9%と改善する見通しです。)売上げは前年比7.7%増の計画となっていますから、規模が拡大しても利益が出づらい体質になっているということです。さらに、自動車産業は最も為替の影響を受け易い事業ですから、円安等の追い風が失われると一気に利益が減ってしまいます。この営業利益率の要因としては、薄利多売構造になっていることが挙げられるでしょう。確かに「新型フィット」は中国メディアや顧客から好意的に迎えられたようですが、その魅力の最大の要因は価格の安さだと言われています。機能と価格による魅力はコモディティ化してしまうため、高付加価値をつけて利益率を上げることは難しくなります。