マツダ <7261> が4月28日に2017年3月期連結決算を発表した。売上高は前年同期比6%減の3兆2144億円、営業利益は同47%減の1257億円、経常利益は同38%減の1395億円、純利益は同30%減の938億円となった。日本と北米市場で販売台数が伸び悩み、為替も足を引っ張った。

2018年3月期はV字回復を予想

マツダ,決算,CX-5
(画像=Webサイトより)

減収減益となる2017年3月期では日本市場が振るわなかった。販売台数は20万3000台となり、23万2000台であった前期から13%減となった。国内シェアは前期比0.7ポイント減の4.0%、登録車シェアは同1.2ポイント減の4.9%となっており、ライバルの攻勢に押し負けた。国内事業の営業利益は同60%減659億円と大きく減少している。販売台数低迷が値引き販売を増やした事に加え、リコールに関する費用もかさんだと見られる。

海外市場でも販売台数の多い北米市場で苦戦し、前期比2%減となる42万9000台に留まった。2016年5月に投入した大型SUV「CX-9」は堅調であったが、その他車種の販売が伸び悩んだ。メキシコではペソ安に伴う値上げも販売数を押し下げる要因となった。一方で中国市場は好調である。小型車減税政策の恩恵を受けただけでなく、新型SUV「CX-4」も貢献し、販売台数は前期比24%増となる29万2000台となった。同社が強みを持つ欧州市場も販売台数は前期比2%増となり堅調に推移した。

グローバル販売台数は前期比2%増の155万9000台となり、日本、北米市場の減少を中国で補った格好だ。

為替の影響も大きい。同社は輸出比率が8割近くあり、為替感応度が高い。対米ドル、ユーロ共、前期比約10%の円高となった事も業績の下押し要因となった。

同社は2018年3月期の連結業績予想について、売上高は前期比4%増の3兆3500億円、営業利益は同19%増の1500億円、経常利益は同17%増の1630億円、純利益は同7%増の1000億円とし、グローバル販売台数は同5%増の213万台と見積もる。想定為替レートは1ドル=108円、1ユーロ=118円と置く。

SUVに注力するが、先行きは不透明