東芝 <6502> の綱川智社長は記者会見し、2017年3月期の決算発表を延期したことを陳謝するとともに、「適切かつ早期に決算手続きを終わらせるため最善を尽くす」と語った。決算発表については、監査法人と折り合いが付かず。16年4-12月期の決算が暫定値の発表にとどまったのに次ぎ、2度目の不祥事である。

東芝は同日、暫定値としてウエスチングハウス(WH)の破綻に伴い、最終的な純損益は9500億円の赤字、債務超過は5400億円になると発表した。債務超過は東芝メモリの売却で解消する見通しだという。

監査法人の了承なく2度目の暫定値公表

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(写真=testing/Shutterstock.com)

15日は3月期の決算短針を公表する最終期限。しかし東芝は、WHの会計処理を巡って、監査法人「PWCあらた」と意見が合わず、再び監査法人の了承なく暫定値を公表する事態を招いた。東芝は最終的には6月末までに関東財務局に「有価証券報告書」を、監査法人の意見を付けて提出することが義務づけられている。できなければ上場停止処分もあり得る。

綱川社長は同日、「当社と監査法人は、皆さまのご心配を一刻も早く払拭(ふっしょく)するため協調しながら、適切かつ早期に決算手続きを終わらせるために最善を尽くす。本日、決算を発表できないことで、株主、投資家を初め関係者に多大なご心配をかけることを改めて深くおわびする」と述べた。

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