「Brexitにともなう費用を補うため、銀行顧客の手数料などが値上がりする」可能性を、ゴールドマンなどが警告した。

人事・拠点移動、業務分散といった物理的な問題に加え、規制の変更など、総費用は最大数百億円にものぼると予測されている。

BoEは資金需要を4%増 リングフェンス手数料値上げも検討中

イングランド銀行(BoE)は今年3月に発表した諮問書の中で、資金需要(民間金融機関がBoEに預けいれている総預金残高に対する需要)を、今年4月の新年度以降、2億6650万ポンド(約390億4290万円/4%増)に引き上げる意向を示した。Brexitで発生するコストを補う意図である。

諮問書を作成した健全性規制機構(PRA)の見積もりによると、Brexitコストは2017年度だけでも540万ポンド(約7億9111万円)。離脱交渉が完了し、新しい英国の金融規制が確立するまで、少なくとも数年を要すると予測されている。

2019年以降、英国を拠点に業務を行う金融機関(住宅金融組合を含む)には、「リテール・リングフェンス」と呼ばれる新規制が課されることになる。大口銀行業務および投資銀行業務からリテール銀行部門を独立させ、リスク発生時の損害を最低限に抑えこむことで、金融システムの安定化を図る目的だ。

BoEはこのリテール・リングフェンスの管理に必要となる手数料を、前年度の790万ポンドから2360万ポンド(約11億5704万円から34億5745万円)まで、一気に値上げすることを検討中だとも述べた。

さらには金融資産の分類と測定を定めた「IFRS第9号」の遂行コスト、360万ポンド(約5億2740万円)を補うために、新たな手数料を徴収する可能性についても明らかにしている。

ゴールドマン「費用が跳ね上がれば、顧客に反映する」