定年退職後は子どもたちも独立し、年金も支給されます。高額な保険料を支払って生命保険に加入し続ける必要はあるのか、生命保険は必要なのか、このような疑問を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、定年退職後の生命保険の見直しなど、生命保険について考えていきます。

退職後でも死亡保障は大切なのか

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(写真=Shayli/Shutterstock.com)

定年退職後は、働かなくなったり雇用形態が変わったりすることから、ライフスタイルに大きな変化があります。また、教育資金などが必要だった子どもが独立することも大きな変化といえるでしょう。

その一方で、年を重ねるにつれて体の不調も出やすくなるものです。医療費などの心配から生命保険の必要性を感じていても、死亡保障を継続していくかどうかは迷うところでしょう。働いていたときと同じ保障内容を継続する必要がない場合もありますが、継続する場合でも保障内容の見直しは必要となってきます。

定年後に必要な保障額のシミュレーション

定年退職後に必要な保障額について、シミュレーションする際には以下の点について考慮しましょう。

● 遺族年金の支給について
自身が死亡した場合に支給される遺族年金について調べておきましょう。厚生年金に加入している場合は、遺族厚生年金が支給されます。また、18歳到達年度の末日までの子どもがいる場合は、遺族基礎年金も配偶者に支給されます。

● 支出額の把握
日々の支出額を把握しておけば、定年後に毎月どのくらい必要になるかわかると思います。その金額に緊急時の支出をプラスし、大まかに必要な額を決めます。支給予定の年金や退職金などの収入で賄えない場合は、生命保険で補うという選択肢もあります。例えば、低解約返戻金型終身保険では、払い込み期間後であれば保険料を上回る解約返戻金を受け取ることができます。

● 定年退職後のライフスタイルも加味する
定年退職後に子どもが独立するなど、日々の支出額の変化が考えられます。住宅ローンに関しても、完済する日によっては、必要金額が低くて済む場合もあります。また、定年退職後でも働くことを想定している場合は、収入額も変わってきます。

収入や支出に関しては考えられる要素をもとにさまざまなパターンを想定してみましょう。実際にシミュレーションをして計算していくと、生命保険自体が不要という結論に至るかもしれません。自分の試算をもとに専門家に相談し保険の見直しをするのもいいでしょう。

保険の質を検討するには?

人によっては、生命保険だけでなく医療保険の見直しも必要になる可能性があります。保険の見直しの際に気になるのは、必要な保障がきちんと設定されているかどうかではないでしょうか。保障内容を検討するポイントとして、以下の観点で見てみるといいかもしれません。

・ 病気やけがをした場合の保障
・ 働けなくなった場合の保障
・ 亡くなった場合の保障

まずは年齢や健康状態から、必要な保障内容が設定されているかを確認していきます。例えば、病気やけがで入院した場合に、通院や手術まで保障される設定になっているか確認します。がんや先進医療の治療が給付の対象になっているかなど確認しておきたいところです。また、働けなくなってしまった場合に、毎月一定額の支給を受けることのできるものもあります。自分の身に何かあった時に家族を支えることができるかどうか、死亡時の保障についても確認しておきたいところです。

その一方で、終身払いの場合は死亡するまで保険料の支払いが必要になります。医療費は、高齢になるにつれて負担額が所得に応じて2割程度に減額されていくことを考えると、高い保険料を支払ってその保障を受けることが必要なのか検討する必要があるといえます。

積立の場合は貯蓄性がありますが、保険料が高額で貯蓄されるのはその一部という場合もあり、掛け捨てにして差額を貯金した方がお金を貯められる場合もあります。また、支払いの完了段階で保障も終了となるものや、終身保障される場合もあります。どのような保障になっているのかもきちんと把握して検討しておくといいでしょう。

定年退職後の生命保険の必要性は人によって異なる

定年退職後にも生命保険を継続していくかどうかは、個々によって異なります。さらに、ライフスタイルの違いや公的制度などの支給額により大きく異なってきます。

生命保険の見直しについて考える際には、自身でシミュレーションして具体的に検討してみることをおすすめします。(提供: 保険見直しonline

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